ステージが見えぬまま、ただそこにいる事実だけで幸せだった3時間。
「ねぇ、ぜったい私のこと見て手振ってくれた!!」
「アンコールのとき、目合った〜〜!!死ぬ〜〜!!」
と、ファンたちはライブに行くと、あまりの多幸感に自分の都合のいいように解釈して盛り上がるのが常である。
私も肉眼ではっきりと見えるほど、推しを近くで拝めたことはない。でも、2階席の私たちがいるほうへ手を振ってくれたのなら、もうそれは私に手を振ってくれたのね、とちゃんと勘違いするのだ。
2019年10月。
4ヶ月後にはパンデミックにより世界全体がガラリと変わってしまうなんて