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故郷と奄美 

世界的に、日本人の幸福度は低いらしい。
世界で58番目だそうだ。

日本はインフラが整備されていて、最先端の技術を持っているはず。

モノに不足しない国のはずなのに、心は満たされていないらしい。

幸福:心が満ち足りていること。幸せともいう。

Wikipedia

じゃあ、どんな時に人は幸福を感じるだろう?

美味しいものをたべたとき。

綺麗な景色を眺めるとき。

ぐっすり眠って、すっきりとした朝を迎えられたとき。

好きな人が微笑んでくれたとき。


色々なカタチがあるなあと、改めて感じる。

僕は、4年前に両親のUターンで奄美大島に引っ越してきた。

島人(しまんちゅ)としては、まだまだ見習いだ。

両親の実家は奄美にある。大和村の父親の実家にあそびにいくと、奄美の風土を感じることができる。

黒糖焼酎「れんと」を片手に、いつも大相撲と巨人戦を観ている90歳のじいちゃんは、ばあちゃんと息子のお父さんには島口(方言)で、僕たちには標準語で話す。島口はとても難解で、大河ドラマ「西郷どん」では標準語の字幕付きで放送されるほどだった。

奄美大島開運酒造(宇検村)のれんとは、
黒糖焼酎の王道。
画像はあまみっけのサイトより引用

元々は大工をしていたじいちゃん。戦後の高度経済成長期には、あちこちへ出稼ぎに出かけていたそうだ。本土のあちこちに、じいちゃんたちが汗を流して作った高速道路があるらしい。大人になったらいつか、通ってみたい。


ばあちゃんは、91歳になっても、自転車を乗りこなす。ばあちゃんの料理はとても美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまう。
お父さんが高校生の頃、ばあちゃんのにんにく醤油仕込みのから揚げが同級生の間でも人気になって、友達と取り合いながら食べていたらしい。


ばあちゃんが作る鶏飯は、いつも大盛りだ。
器によそわれたときは、毎回驚いて「こんなに食べられないよ、」と言ってしまうが、気付いたらおかわりをして2杯目に突入しているのも毎回のこと。

鶏飯(けいはん)は、奄美の郷土料理。
画像はあまみ大島観光物産連盟のサイトより引用

これまでは転勤族だった僕には、同じところに5年以上住んだためしがない。生まれた町での記憶は全く残っていない。

奄美で暮らして4年。この場所のことが少しずつ、わかってきた気がする。

本土までフェリーで12時間を要する奄美は、輸送コストの関係で物価が高い。雨もすごく多い。何かと不便なことは間違いない。

でも、「あったかい島」だ。

気候のみならず、人の心も。

奄美生まれでない僕。

たった4年しか住んでいない僕も受け入れてくれる温かさ。

きっとこの島には、心の故郷があるのだろう。

高いビルや、華やかな娯楽施設はないけれど、

ゆったりとした島の暮らしは、幸せとは何かを教えてくれる。


あなたの心が疲れてしまった時。

もうくたびれた、と思った時は、

いつでも疲れを癒しに来てください。

奄美での時間が、きっとあなたの心に幸せを思い出させてくれるはずですから。

                                                             たまごやき


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