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「撮りたい」と思わせるカメラ

この20年の間にカメラはフィルムからデジタルに代わり、どんどん進化しました。私もメーカーを問わず最新カメラを何台も使って進化を感じてきました。

世の中には何千何万とカメラやレンズがあり、いろいろ使ってみたくなるものです。日本各地、世界各国を旅してみたくなるのと同じです。これを使うと、あんな写真が撮れるのではないか、こんな写真が撮れるのではないか、想像を膨らませます。それは写真に対する情熱がある証拠です。カメラを変えると、撮影するモチベーションが変わってきます。

ただ、「カメラはなんでもOK、何を使っても関係ない」という時期もあります。私もありました。そんな時期は、わざわざカメラを買い替える必要もなく、人のことをとやかく言う必要もなく、そのまま撮影を続けるのが一番です。カメラにかける費用を、旅する費用やプリントする費用に回すこともできます。


「撮りたい」と思うようなカメラを持つことが大切な理由


1. モチベーションの向上

自分が気に入ったカメラを持つことで、写真撮影に対するモチベーションが高まります。好きなカメラを手にすることで、持ち歩きたくなります。そして撮影意欲が自然と湧き上がり、撮影の頻度や質が向上することが期待できます。

2. 自己表現の充実

自分のスタイルに合ったカメラを使うことで、より自分らしい写真を撮ることができます。使いやすいカメラを持つことは、自己表現を豊かにし、創造力を発揮するための重要なツールとなります。

3. 技術の向上

気に入ったカメラを使うことで、そのカメラの性能や機能を最大限に引き出そうとする意欲が生まれます。その結果、カメラ操作や撮影技術の向上にもつながります。

4. 撮影体験の向上

「撮りたい」と思うカメラを持つことで、撮影そのものが楽しい体験になります。カメラのデザインや使い心地が気に入っていると、撮影の過程自体が満足感を高めるものとなり、より多くの瞬間を切り取りたいと思うようになります。

5. 長期的な満足感

自分が本当に好きなカメラを持つことは、長期的な満足感を与えます。高品質なカメラは長持ちし、長い間愛用することができます。これにより、購入したカメラに対する満足感が持続し、より多くの思い出や作品を残すことができます。

6. 感情的な繋がり

好きなカメラを持つことで、そのカメラとの感情的な繋がりが生まれます。この繋がりは、撮影した写真にも表れ、一枚一枚に対する愛着や思い入れが深まります。触っているだけで、また眺めているだけで嬉しい気持ちになります。

「撮りたい」と思うようなカメラを持つことは、写真撮影における喜びや創造力を最大限に引き出すための大切な要素になります。


そのため「撮りたい」と思わせてくれるカメラに出会うことができれば、無理せず自然と写真を撮り続けることになります。

逆に「撮りたい」と思ようなカメラに出会わなければ、いつの間にか写真を撮ることをやめてしまうかもしれません。


日本人は特に道具にこだわるような気がします。
理由は、文化や歴史、価値観に深く根ざしています。以下にいくつかの理由を挙げてみます:

職人精神: 高品質で完璧なものを作り上げる伝統。

美学: シンプルで機能的、美しいデザインを重視。

長持ち: 耐久性と修理のしやすさを重視。

実用性: 仕事や生活の効率を高めるため。

自然との調和: 自然素材を使った環境に優しい道具。

個人的な関係: 道具との感情的なつながり。

これらの理由が、日本人が道具にこだわる背後にあります。日本の道具作りや使い方には、深い歴史と文化があり、その一つ一つに込められた思いを感じることができます。

例をあげると、生命を司どる食事に使うのは食器です。西洋では全員お揃いの食器を使いますが、日本では食事の量、手の大きさ、好みのデザインによって、お父さん用、お母さん用、子ども用と分かれています。手に持ったときの感触、厚み、さらに口触りまで意識します。
元々は農作業に使われる鎌や鍬もオーダーメイドでした。
日本発祥の競輪選手が使う自転車のフレームは、一人一人の身長、体重、脚質などを考慮しながらミリ単位で調整して作られ、同じ寸法の自転車はありません。そして全く同じ寸法で作られ調整された自転車でも、1台1台の感触が違うそうなので、拘りかたは半端ではありません。


カメラは道具として常に最新機材に入れ替える考え方もありますし、古くても相棒として一生共にしようと思えるカメラもあります。どちらにせよ「写真を撮り続けたい」という気持ちが大切です。人の数だけそのカメラは存在します。

「おじいちゃんから受け継いだカメラをずっと大切に使っている」という人がいれば素敵なことです。

みなさまも「撮りたい」「撮り続けたい」と思わせてくれるようなカメラに出会うことを願っています。



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