ストックフォトのすすめ
写真の楽しみ方の一つとして、写真素材、ストックフォトにチャレンジするのも面白いです。
ストックフォトとは
ストックフォトとは簡単にいうと、写真販売サイトに登録して、写真を販売することです。
写真はいろいろなところで使われています。
雑誌やWEBサイト、各企業の冊子、CDジャケット、カレンダー、テレビ、教科書、地域イベントポスターなどなど、様々なジャンルがあります。写真を必要とする企業や媒体は、カメラマンに費用を支払って撮影を依頼するより、写真販売サイトで買うほうが効率よく低価格で購入できる可能性があります。さらに、日本国内だけではなく、海外でも使っていただけます。
どのような写真が使われるかというと、ありとあらゆる写真全てです。
鉛筆や食器といった生活用品から、赤ちゃんや働く人、妊婦さん、シニアといった人物、自然や風景、観光名所、高速道路や建造物など多岐にわたります。三角定規が写った写真が必要な人もいますし、落書きされた壁の写真が必要な人もいます。自分の得意分野に絞ってもいいですし、収入が目的なら、売れそうな分野の撮影をするのもありです。
ストックフォトのメリット
ストックフォトのメリットは、自分で営業することなく、撮影データを送るだけで写真を販売できることです。クオリティ審査がある場合もありますが、基本登録は無料です。販売手数料はかかりますが、売れた分の中から手数料を払うため、マイナスになることはありません。写真を趣味にしている人ならおいしすぎるメリットです。
さらにメリットとして、一枚の写真データを何回でも、何年でも使っていただけることです。一回売れたら終わりではありません。一回使われた写真が、ほかの媒体や企業に使ってもらえる可能性があります。半永久的です。「ストックフォトを頑張ったけど、1万円しか稼げなかった」という人もいるかもしれません。でも1ヶ月で1万円の収入があったとすると、次の月も1万円の収入がある可能性が高いです。そう考えると、1年で12万円、10年で120万円になります。
ストックフォトで売れやすい写真
花や風景、観光名所の写真もいいのですが、何しろ同じような写真を撮っている人が多いのが現状です。そこで自分の写真を選んでもらうには、一歩抜きん出たクオリティーが必要になり、写真を始めたばかりの人にとっては少々ハードルが高くなります。
そこでお勧めなのが人物です。さらに絞って、友人や家族、ペットです。
人物写真を販売する場合、写真に写っている人の承諾書が必要になります。これが高いハードルになりますが、それがかえって売れる(ライバルを減らす)要因になります。
ストックフォトの分野には、プロカメラマンが多く登録していますが、写真を始めたばかりの人でも何にも怖がることはありません。プロの場合、人物を撮影するときは、モデルさんを雇って、スタジオを借りて、ライティングして、小物を揃えて、料理を作って、家族団らんの様子や子どもが勉強している様子など、いろいろなシーンを撮影します。そこには当然費用が発生し、初期費用を回収できるかどうかもわかりません。ところが趣味で写真をやっていて、家族を撮影する場合、うまく協力を得られれば、その費用はかかりません。この差は大きいです。
そして、料理を作っているシーン、カレーを食べているシーン、自転車に乗っているシーン、シートベルトをしているシーン、ネクタイを結んでいるシーン、あらゆる状況が経費をかけずに撮影できます。
「こんな写真売れるの?」そんなことを考える必要は全くありません。必要か必要でないか、決めるのは撮影者ではなく、使う(買う)人が決めることです。
なんでもOKといわれると、かえって何を撮ったらいいかわからない人もいると思います。そういう人は、自分の得意分野に絞ってみるのもいいでしょう。犬だけ、料理だけ、子どもだけ、おじいちゃんだけ、空だけ、好きな分野からはじめてみてはいかがでしょうか。そこにも必ず需要があります。以前ジャポニカ学習帳には昆虫写真が掲載されていました。その写真のほとんどは今は亡き山口進氏が撮影していました。
ちょっとしたコツとして、
画面一杯に撮りたい写真を撮るのではなく、後から文字を入れるスペース(コピースペース)を意識することです。さらに、縦位置と横位置の両方で撮影したり、使う側の立場に立って撮影すると、より使っていただける可能性が広がります。
うちの息子は、学校で教科書をめくっていると、自分の写真が大きく見開きで写っていて、びっくりしたということもあります。
ストックフォトの収入
それでは実際どれぐらい売れるかといいますと、人によって大きく差があると思います。私は写真をはじめて、すぐにストックフォトに挑戦をし、さらに友人にも勧めました。二人の感覚でいうと、目安として、1000点の写真を登録すると月1万円ぐらいかなと思います。写真が上手な人ならもっといけるかもしれません。1万点の登録なら単純に10倍になります。
注意したいことは、いい写真にこだわりすぎて、写真の数が少ないことです。最高傑作だと判断した写真を10枚登録しても、まず使ってもらえません。数が少なすぎます。重要なことは数です。
ただし、1000点登録するまでに1年かかったとすると、最初の1年はほとんど収入がないことになります。みんなここが耐えられないところです。コツは売上のことは考えずに、自分が撮影した写真を、データが飛んだときのために別の場所に保存しておくつもりで登録することです。一回軌道に乗ると、新作の登録を辞めても売り上げはずっと続きます。私は3年ほど登録を続けました。すでに10年以上新作をアップしていません。さすがに10年経つと売り上げは落ちますが、それでも10年以上、売り上げが途絶えた月はありません。これがストックフォトの威力です。
ストックフォトのデメリットはタグ付けが面倒くさいことです。それさえできれば、誰にでもできます。特にカメラを買って写真を撮りはじめたばかりの人は、写真を撮ることが楽しくて仕方ないと思います。ついでにストックフォトに登録して写真をアップしていけば収入に繋がります。
写真を趣味にしていると、新しいカメラやレンズ、三脚などいろいろと欲しいものが出てきます。自分で撮影した写真を販売することによって、機材費用を捻出できれば、趣味の中でお金を回すことができます。そして、写真に対してモチベーションアップにつながります。自分の写真が何かに使われるだけで嬉しいものです。
気になった方は、ぜひチャレンジしてみてください。