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コンタックス T3

フィルムカメラの中に、高級コンパクトカメラと呼ばれる分野があります。コンタックス、ミノルタ、ニコン、リコー、コニカなど、今ではあまり聞きなれないメーカーもひしめき合っています。


そんな中、コンタックスT3は、デジタルカメラが次第に勢力を増す中、最後で最高の高級コンパクトカメラとして、2001年に発売され、製造が終了された今なお人気で名機として知られています。


コンパクトでオシャレなデザイン、ポケットにも入るサイズで、いつも持っていたくなるカメラです。

オートフォーカスも優秀で、オートもしくは絞り優先でバシバシ撮れます。こういうカメラは、私はフルオートで撮影したくなります。

レンズはカールツァイスゾナー、画角は何でも撮れる人気の35mm、開放F値2.8、間違いなくよく写ります。


レビューと作例をご紹介します。

フィルム独特の青があるような気がします。フジ100


シャープさと自然なボケ
AFも優秀 x-tra400


雨上がりの屋根に現れるグラデーション模様。
シャープな中にも柔らかさがあり、それを忠実に再現してくれます。 x-tra400


中心は氷のカリカリ感、周辺はゆるい感じ x-tra400


内蔵ストロボ発光
発色と解像力、共に素晴らしい x-tra400


フィルム、デジタルを問わず、コンパクトカメラの内蔵ストロボは、大好物です。

内蔵ストロボを使ったポートレイトは、リアルが浮き彫りになり、飾らない本物が写し出されます。


x-tra400


フジ100


光と影の描写

良いレンズは白に独特の透明感があります。
x-tra400


歌川広重「亀戸梅屋舗」のような影を、
ギリギリのハイライトの壁が受け止める。
x-tra400


光と影のコントラストが絶妙 x-tra400


逆光

場面を盛り上げる嫌味のないフレアゴースト x-tra400


「冬日」 x-tra400


「航海中」 x-tra400


「春を待つ」 x-tra400


いいカメラです。

デザイン良し、写り良し、携帯性良し、いつも持ち歩いて、たくさん写真を撮りました。


ところがある日、カメラにトラブルが発生しました。

レンズバリアが完全に開かないのです。

撮影中は全く気づきませんでした。

修理を依頼したところ、「修理完了までに半年以上、もしくは修理不能」と連絡を受けました。

故障したことと、まともに撮れてないことのダブルショックです。

泣く泣く返品。

保証期間中だったのが幸いです。


2000年代はじめ頃まで製造された高級コンパクトカメラ、名機と言われるカメラがたくさんあります。2020年ごろまで中古市場でも見かけていましたが、最近は極端に減ったような気がします。あったとしても、価格がびっくりするほど跳ね上がっています。

やはり電子部品が入ったカメラは、製造から20〜30年ぐらいが限界なのでしょうか。故障した場合、カメラ内部に使われている電子部品がもう手に入りません。カメラを持っていたとしても、なんだか導火線に火が付いているようで、ちょっと使うのが怖い気がします。

今もお持ちの方は、貴重な宝物として大切にお使いください。


私はこの件を境に、半永久的に使える機械式カメラの扉を開けることになりました。


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