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街で声をかけるストリートポートレート
街を歩いていると、素敵な人や特徴的な人に出会うことがあります。
そんな時、声をかけて写真を撮らせてもらう撮影スタイルがあります。ストリートポートレートとか、ポートレートストリートスナップと言われています。
一般的に都会を歩くファッションの素敵な人を見つけて撮らせてもらうイメージがありますが、私は地元しまなみ海道に暮らす人たちを撮影させてもらうことがあります。田舎のおじいちゃんには都会の若者にはない味わいがあります。
街で人を撮影するには、いくつかスタイルがあります。私の場合は「この人は絶対に撮りたい」と感じたときは、声をかけて写真を撮らせてもらうようにしています。
街で見かけた人に声をかけて写真を撮らせてもらうのは、ちょっとハードルが高いような気がするかもしれませんが、すごく刺激的で楽しいです。
人によって声の掛け方は違うと思いますし、撮影させてもらう相手によっても違うと思います。丁寧に、写真を撮らせてもらいたいことを伝えると、だいたいOKがもらえると思います。
声の掛け方とか、人に説明することではないかもしれませんが、もしかしたら参考になる人がいるかもしれません。
どんな声の掛け方をしているかご紹介します。すごくストレートです。
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チャンスは突然やってきます。いつでも撮影できるように、常にカメラを持つようにしています。
2022年度エプソンフォトグランプリ優秀賞受賞
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サイクリング中の一枚 しまなみサイクリング日和 掲載
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最後の写真は、遠くから二人を見つけた瞬間に、過去の失敗が頭をよぎりました。
数年前のサイクリング中、夕焼け空の海岸でトランペットの練習をしている二人を見かけました。最高にいいシーンでした。しかし一瞬迷ったあげく、声をかけることをせず、写真も撮らず、そのまま通り過ぎてしまいました。家に帰ってから後悔しました。なんであの時・・・
そんな経験があったからこそ、今回はすぐに反応しました。機械式カメラだっため、声をかける前に露出を1/200、F11にセットし、ピントも3メートルにセットしました。いざ、OKが出たら、すぐに撮影できるようにしておくためです。OKが出たあとに準備をしているようでは、相手に対して失礼ですし、一番美味しい瞬間を逃すことになります。
その結果、上手く撮影することができました。
そして近所で会える人には、後日プリントして、プレゼントするようにしています。私の場合はだいたいこんな感じで撮影させてもらっています。
こういう街で撮影されるストリートポートレートは、結構多くの人がされています。実は私より、案外私の娘のほうが詳しかったりします。娘は撮る側ではなく、撮られる側です。友達と一緒にいるとき、よく声をかけられ、写真を撮ってもらうそうです。
娘からストリートポートレート撮影方法について教えてもらいました。
いろいろなアプローチの仕方があるようです。そんな中でもインスタをされている人が多く、いろいろな人の写真を撮らせてもらって投稿しているそうです。そんな人から「写真を撮らせて欲しい」と声をかけられ、インスタの投稿画面を見せてもらい、お互い納得して写真を撮ってもらいます。更にアカウントを教えてあって、後から可愛く仕上がった写真が送られてくるという感じだそうです。実にスマートです。
そして娘は「写真を撮られた」とは言いません。その言い方だと、あまり乗り気ではなかった感じがします。「写真を撮ってもらった」とか「写真を撮ってくれた」という言い方をします。細かいことですがかなり重要なことです。気持ちよく撮ってもらうと、撮られる方も嬉しいのです。
「撮ってもらった」という言い方をするということは、撮影した人はコミュニケーションの取り方が上手く、娘も気持ちよく撮影されたはずです。なんとなくどんな写真を撮ってもらえたか、想像ができます。それで困ったことにはならないし、嫌ならブロックすればいいという考えです。
「なるほど、そんなインスタの使い方があるのか、私も始めようかなー」
そう考えると、街で気になった人に声をかけ、写真を撮らせてもらうことは、上手くコミュニケーションが取れれば、お互いがハッピーになれます。
もし撮影したくなるような人が目の前にいれば、思い切って声をかけると新しい扉が開かれることになります。断られても何にも失うものはありません。それはカメラ機材の良し悪しではなく、声をかけるかどうか、上手くコミュニケーションが取れるかどうかで決まります。
更に、私はこんなことを聞いてみました。
「撮影を頼まれて断ったことはないん?」
すると娘は、
「お父さんも写真撮ってるから、お父さんが人に頼んだときに断られないように、私も人に頼まれたら断らないようにしている」
なんと・・・
そんなことを考えていたなんて・・・
ちょっと泣きそうです。
気になった方は、ぜひストリートポートレートにチャレンジしてみてください。
写真の世界が変わり、人生まで変わる可能性があります。