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写真に縛りを設ける

写真は、撮影機材や被写体、考え方や表現方法は無限にあります。
全て自由です。

範囲が広いがゆえに、迷路に入り込んでしまうこともあります。
「何をどう撮ったらいいか分からない」

スランプといいますか、迷路に迷い込むこともあるでしょう。そんな時は自分なりの縛りを設けて撮影すると、出口が見えてくるような気がします。

私は、出張や旅行などの移動中に、乗り物から窓越しに風景を撮影するのが好きです。これも一つの縛りです。

ライカDⅡ ライトレンズラボLTM35mm沈胴 イルフォードHP5+


最近は機械式カメラ、単焦点レンズ、白黒フィルム、トリミング無し、という自分なりの縛りを設けて、その中で何ができるかに挑戦しています。理想通りに撮影できることはないので、また挑戦しようという気持ちになり、飽きることがありません。それが一回の撮影で完璧に撮れてしまったら、そこで終わり、続ける気持ちが無くなってしまいます。うまく撮れないからこそ面白いです。


例えば、「花の写真」というのは、範囲を絞っているようで、まだまだ範囲が広すぎます。
赤い花だけ撮る
梅だけ撮る
散った花びらだけ撮る
昆虫がいる花だけ撮る
雨上がりの水滴がついた花だけ撮る
何気ないスナップ写真の中に、必ず花を入れて撮る
アスファルトから咲く花だけ撮る
花を持っている人だけ撮らせてもらう
などなど

自分なりに絞っていくと、普段生活していても、そこに自分だけのアンテナが反応します。

「花」だけなら撮影している人はたくさんいます。そして写真の上手い人がたくさんいます。とても敵いません。でも、さらに一つ二つと絞っていくと、撮影している人は一気に減っていきます。一つ一つは大したことなくても、絞れば絞るほどオリジナリティ、自分らしさが出てきます。それは足し算ではなく掛け算式に尖っていきます。

花の写真だけで「この花の写真、誰々の写真だ」と言われるようになると、強烈にインパクトがある証拠です。


他の例で言うと
「東京」を撮影する人も多くいます。上手い人がたくさんいて、もうこれ以上撮影できることはないと思っていても、みなさんそれぞれに工夫を凝らし、どんどん新作が出てきます。でも漠然と撮影していると、どうしても見たことがあるような写真になってしまいます。それが悪いわけではありませんが、もし他の人と違った写真が撮りたければ、普通とは違った視点が必要です。自分なりの縛りを設けたり、2つ3つと絞っていくと自分なりのオリジナリティが出てきます。

例えば上に書いたように、東京で花を持っている人だけを撮影させてもらうと、きっと自分だけの「東京」が見えてくるでしょう。花は人と人を繋げる大切な役割があります。一人一人どのような想いで花を持っているのか、そんなことを聞きながら、言葉として写真に加えると、より一層見る人の心に入り込みます。こんなこと言うと、「花なんか持っている人なんていない」と思うかもしれません。でも少し考えれば、花を持っている人はいます。それは花屋さんの近くです。これ以上具体的に言うのは控えますが、ちょっと視点を変えるだけでオリジナリティはいくらでも出てきます。それはすぐに完成するようなものではなく、何年も積み重ねるほうが厚みが増します。

それプラス、(ここ重要です)
なぜその縛りを設けて撮影しようと思ったのか、それを明確にすると、写真の意味がより深くなっていきます。

自分なりの縛りを設けて、それを何種類か持って、常にアンテナを張っておくと、5年後10年後、写真がある程度溜まっていけば、面白いことになるような気がします。

もし気になった方は挑戦してみてください。



「アスファルトに咲く花」に絞った花の写真集



窓越し、鏡の反射、影、によって縛りを設けた写真について、詳しく解説しています。


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