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"It's For You" 歌詞をちゃんと読む記事

アルフィーファンならば一度は生で聴いてみたい、"It's For You"!
これはThe ALFEEがまだThe ALFEEになる前に、学生時代のお三方がギター片手にコーラスしていた”原点”とも言える洋楽コピーのうちの一曲。3人で集まってワイワイと楽しく歌うのが好きで好きで、色んな楽曲を練習していたと結成前・直後を振り返る機会によく話されています。
デビューから50年経った今も高校・大学時代にカバーしていた曲をライブ映像などで観るたびに、ここから始まりずっと仲良く続けてくれて、こうして今も素晴らしい歌声と演奏を私たちが聴けるのだなぁ、とジーンとしてしまいます。

先日(2025年2月16日放送)のラジオ・終わらない夢でもリクエストされましたね!これはコピーする時に坂崎さんが耳コピした、ということですが、まさにThree Dog Night のものを聴き込んだのがオリジナル(ポールとジョン)を聴くとわかります。

曲調も違えばなんと歌詞もちょっと違います。

オリジナルの歌詞を翻訳・英語の解説などの後に、アルフィーさんがカバーしているバージョンとの違いも説明しますね。(クリックすると参考にした歌詞のページに飛びます)

⭐︎⭐︎⭐︎

I'd say some day   I'm bound to give my heart away
When I do  It's for you  love, true love
Seems to be all  I'm thinking of  But it's true It's for you
They said that love was a lie Told me that I should never try to find
Somebody who'd be kind Kind to only me

"It's For You" 作詞作曲・John Lennon & Paul McCartney(以下の引用も同)

訳:いつの日か、僕は心を捧げる運命なのだと思っている
その時は君へ捧げる  真実の愛
そればかり考えているようだけど 本当なんだ、僕の心は君へ
愛なんて嘘っぱちだと彼らは言った
僕だけに優しい誰かを見つけようなんて思うんじゃないぞ、って僕に言った

説明:day-away, do-you, true-you, find-kind と綺麗に韻を踏んでいます(後に韻を踏んでいる箇所も太字にしています)。

Be bound to(動詞)でそれをする運命にあるの意味になるのは動詞のBind(boundはその過去・過去分詞形)が”縛りつく”と言う意味で、逃れられない運命を示唆するからです。
”はじまりの詩”にも出てくる サイモン&ガーファンクルの”Homeward Bound”のバウンドは目的地が”縛られている”ように決まっていることから、”家路・故郷行き”という意味になります。

Some dayとは”いつかわからないけどきっとやって来るその日”で、Somedayとはちょっとニュアンスが違います。後者はかなり漠然とした”来るかもしれないいつか”です。この男性は自分の心を全て奪われる誰かに会う日が必ずや来るのだ、と信じているのがよくわかります。

そして、その悲しいやり取りに続く次の部分はアルフィーさんのカバーバージョンにはない部分です。

So I just tell them they're right Who wants a fight
Tell them I quite agree Nobody'd love me Then I look at you

訳:だから彼らは正しいよって言うさ、だって争いたくないだろう
自分だってそう思うって、誰も僕なんかを好きにならないよって言うさ
そして君を見つめるんだ

説明:この部分は愛に否定的な周りの人と無駄に口論しないために”はいはい”って対処している僕には実は”君”という愛がすでに目の前にあると言うことを描写しています。

そしてこう続きます。

And love comes love shows
I give my heart and no one knows
That I do  It's for you

訳:愛はやって来る、愛は現れる
僕が心を捧げることを誰も知らない
その心は君へ捧げる

説明:And(そして、それから)で始まるこの部分は、前のフレーズ”Then, I look at you"から続くので、You 彼女とは愛という存在なのだとわかります。
Love showsとは”愛が(何かを)見せる・示す”ではなく(例えば I will show you=見せてあげる、のshowではない)、”何かが見える・現れる”のshowです。
周りにはやされるからか、それとも誰にも愛されることはないと信じているからか、僕の心を君にあげるというのは自分しか知らない、という悲しい最後で曲は終わります。 No one の中にはひょっとすると彼女も含まれており、彼はひっそりと彼女を愛し、気持ちを伝えることはないのかもしれないとも思えます。

で!!!ここからが本題なのですが(え?)、最後の部分、オリジナルとカバーで違っている点があるのです。
Love comes、Love shows の部分です。


Three Dog Nightのバージョンをカバーしたアルフィーさんの歌詞を検索すると、どれもオリジナルと同様 "Love comes, Love shows"になっているのですが、実はアルフィーさんは "Love comes, Love goes" と歌っています。
”愛は来る、そして去りゆく” そう歌っています。
実はThree Dog Nightのバージョンも同様です(が、ネット上歌詞がshowsになっているのも多数)。

その理由は真ん中の省いてしまった一節だと思います。
”愛という存在”な彼女がいるという部分がなくなったため、 "love comes  love goes" で 漠然と愛は来るけど去るもの、でもいつかやって来たらその時はあなたへ捧げる、というものになっています。
僕はみんなが言うように愛なんてない、誰かに愛されることはない、そうまだ信じているので例え愛みたいなものがあってもそれはいずれ消えるまやかしだと歌ったのでしょう。

幸ちゃんが耳コピをした、というこのバージョン。ちゃんと歌詞も耳コピ!

↑こちらの記事で、この楽曲のオリジナルからカバーまで色々と紹介していますのでぜひ聴いてみてください! Three Dog Night とALFEEの love goes もチェックしてくださいね。
ALFEEバージョンのコーラスワークが素晴らしすぎるので、お三方への愛は去り行くどころか増す一方になりますよ、ふふふ。

シマフィー

↓こちらでSomeday の意味を詳しく解説しています!


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