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コーヒー「生豆屋」とは②

皆さんこんにちは!
コロンビア産のコーヒー生豆屋、ロハスビーンズの島田です!
毎度です〜!
最近白髪が増えてきました。いっそもう少し増やしたいのですが、
方法を知っている方いらっしゃいますか?

さて、今日は「生豆屋」って何する仕事?
と言う話の続きをしたいと思います。

【おさらい】
前回、生豆業者にはざっくり5種類の仕事がありますよ〜。って話をしました。

生豆屋の5業態
① 農園
② 組合(コーポラティブ)・協会(アソシエーション)・ブローカー
③ 輸出業者(通称; シッパー)
↑生産国
ーーーーーーーーーーーーーー
↓消費国
④ 輸入業者(大手商社・専門商社)
⑤ 問屋/小売業者

で、今日は前回の続き

③輸出業者について

を書いていきます。
弊社は輸出業者であり、その中で私のコロンビアでの業務は
主に 商品開発 と 品質管理 (略して「品管」)です。

商品開発って何よ?って思いませんか?
品種改良とかするの?…しません。(できません)
私が行っているのは
「売れる商品の発掘&どうすれば美味しいコーヒーになるかのアドバイス」です。
この国には56万農園ありますからね…。
美味しいコーヒーもあれば、あまり美味しくないコーヒーもあります。
何を高品質とし、何をもって低品質とするか…消費国のバイヤーはそのコーヒーをどのように捉えるのかって、生産国の品管に教えるの難しいんですよ。教えづらいし、教えられる方も習得しづらいのです。
他の国のコーヒーを飲む機会もほぼ無いですしね。
農家は高く買って欲しいし、出来るなら私も高く買ってあげたいんです。
でもね、もし500円/kgの味のコーヒーを1,000円/kgで買ってしまうと誰も買ってくれないですよね。その価格&価値の見極めを行うのと同時に、1,000円で農家が売りたい場合「どうしたら1,000円/kgのコーヒーにすることができるか」を、来期の収穫に向けてアドバイスしなくてはなりません。
で、それが商品開発

では、品質管理とは?と言う話ですが、
平たく言うと、スペック管理です。
顧客と売買契約を締結する時点で「豆のサイズをどのようにするのか」や、「欠点豆(欠けていたり虫に食われていたりする豆等)がどのくらい入っていて良いか」を取り決めています。品質管理担当者はそのスペックに則っている事の確認を行います。
その上で官能検査(味や香りの確認)を行います。官能試験にはネガティブチェックとポジティブチェックがあります。
先ずはネガティブな点が無いかチェックを行います。
生産工程にエラーがあると、不快な味や香りがしてしまいます。もし枯れている香りがあったら、もしカビた匂いがしていたら…程度次第で受け入れられなくなってしまいます。

で、ネガティブな香味がなければ次にポジティブな香味を探っていきます。
これをポジティブチェックと言います。
コーヒー屋さんが買い付けの時に「柑橘類の様な明るく爽やかな香りが魅力だから●●農園のコーヒーを買おう」と判断し契約をしたとします。同じ農園で同じ品種のコーヒーであっても、紙一重の違いでその柑橘類の香りがしていないかもしれません。その場合、そのロットでも良いのか、次のロットを待つのか、もう次のシーズンまで収穫が無いからキャンセルにするしかないか…と、農家と顧客の間に入って相談・調整をしなくてはなりません。輸入側も輸出側も消費国に到着してからキャンセルになるのはダメージが大きいですからね。
仮に輸出屋から『同じ商品だよ〜』と言われ船積を指示したのに、満足のいかない品質が18トン届いたら悲劇ですよね。
「もう2度とこんな輸出会社から買わないぞ!!」となってしまいます。こういう事は往々にして起きますが、輸出側の品管のレベルによって輸入の成功率が大きく変わります。

【 輸出側の品管; 官能審査員の良し悪しが、輸入側の満足度に直結します 】

なので、私は品管をとても大事な仕事だと捉えています。
…それが、品質管理です。

・品質管理担当の仕事【輸出業ver.】
→ 商品開発、サプライヤー(組合・協会・農園)開拓、官能検査、品質保証、製法指導、産地情報取得と情報整理、フライヤー作成、残留農薬検査、等々…
※品管の業務区分の考え方は輸出会社によって異なります。

③輸出業者 の特徴って何?

弊社の場合だと、認証豆が主軸にあり、スペシャルティ(含マイクロロット)を販売しているわけです。←弊社の特徴(個性)です。
日本では弊社のコーヒーが、毎年40コンテナ程使われていますが、内38コンテナはオーガニック認証等の「認証」がついたコーヒーです。
※「認証」については後日お話ししますね。
なので、生豆業界内では「認証コーヒーの専門業者」であるとの認識をされています。たぶん。で、それはそれで正しいのですが、スペシャルティー(高品質品)もやっているのでそこんとこヨロシクお願いします。

で、ちなみに、1,200以上の輸出業者がいる中でコンスタントに日本に輸出している輸出業者は15社そこそこです。
何故こんなに少ないのでしょうか?
→日本が、品質と価格が最もシビアなマーケットだから
って言うのが大きな理由ですね。
しかも、

日本に売るのは面倒くさい

って思われているっぽいです。
サンプルを何回もやりとりしなくちゃいけないし、判断するまで時間かかるし、金額はシビアだし、めんどくさい事たくさん聞いてくるし、写真素材を沢山欲しいっていうし、農薬基準も厳しいし、事前に残留農薬検査を受けなくちゃ輸出できないし、品質に(不当に)うるさいし、そのくせ大した量を使わないし、、、みたいな話をよく聞きます。
ちょっとイラッとしますよね。
でも往々にしてそう思われているのは事実です。
…あ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜愚痴りたい!!
けど、長くなるからそれはまたの機会に。

話を戻しましょうか…

輸出業者の個性って何??

コーヒーの品質ってピンキリあって、流通価格が全然違います。
原料(生豆)の話ですが、
高い商品だと、5万円/kg以上のコーヒーもあるし、
廉価の商品だと、500円/kg位のコーヒーもありますね。
※今は歴史に残る高騰相場なので500円/kgじゃ買えないですけどね。
んで、500円/kgのコーヒーを専門にしている生豆屋の元には廉価なコーヒーが集まってきます。5,000円/kgのコーヒーを売っている生豆屋の元には5,000円/kgの価値があるコーヒーが集まってきます。そりゃそうですよね?
なので、500円/kgのコーヒーをメインに扱っている業者に5,000円/kgのコーヒーを買いに行っても無いんです。
50,000円の靴を探す時にアメ横には行かないですよね。
と言うことで、色々な靴屋があるのと同じで、生豆屋にも色々個性があるのです。

生豆屋の個性 〜コロンビアの場合〜

① 価格帯 // 廉価な豆が専門なのか、プレミアムコーヒーが専門なのか。
② 調達 // どの地域のコーヒーが得意か。
③ 品質管理者のスキル ← かなり重要

基本的にはこの3つに集約できますね。 
んで、弊社の場合…
① 中価格 〜 高価格帯
② シエラネバダ、サンタンデール、トリマ、ウィラが特に得意。
  ほぼ全域カバーしてはいますけど、得意なのはその辺りですね。
③ なんたって、私が居ますからね(笑)!!
  他の輸出業者とは一線を画している自信はあります!
  先輩達に揉まれてきましたからね〜。アジア人の好みは理解しています。

…この①〜③の バリエーション/バランス がそれぞれの生豆屋の個性です。

以前書きましたが、コロンビアは南北1,900km、東西1,350kgmに広がる菱形の土地です。日本の3倍の国土があります。かなり大きいんです。
全生産地をカバーするのは弊社のレベルではちょっと無理ですね。年間5-600コンテナ規模になればできそうですが、今はまだ無理です。
(ってか、あるのかな?全域をカバーしている会社、、、。
 半官半民のFNCくらいかな。)
弊社のHPを見ていただくと判りますが、弊社はコンパクトな組織なので全域はカバーしきれません。
あ、調達はできますよ。
ただ、「(多くのリソースを避けないので)産地に深く入り込めない」って事です。

産地に深く入り込む必要あるの?

あります!!
駐在に来て解りましたが、同じ土地に住んでいる事って意外に重要です。
機動性も違うし、当然、農家からの私の見え方も違います。
同じ農園に訪問しても「お客さん」から「パートナー」になれたと言うか…
そんな感じがあります。

弊社の取り扱い商品は全てフルトレーサブルなコーヒーである事が特徴ですが、誰がどの様に作っているか情報収集をし理解する事を大切にしています。いつ、どの様に収穫・精製しているか…重要なんですよ。
なので、調達元には必ず定期的に訪問します。
何年間も付き合って行くと…「あれ、肥料変えたかな?」とか「雨が多かったのかな?」とか、判るようになります。「味の濃度が下がったけど大丈夫?」「何か困っていない?」と対話をすることで、吐露してくれ、サポートできる事もありますね。
『いや、施肥のタイミングにお金が無くてさ〜、今回は肥料を半分しかあげられなかったんだよね。』とかね。
おい!先に言えよ…って事が多くあります。

tips)
コロンビア人はプライドがスーパー高いので自分からネガティブな話はしてくれません。

『肥料を半分しかあげられなかったんだよね…』というのは褒められた話ではないですが、まぁ、吐露してくれるようになったのでヨシとしようと思っています。味が薄くなった理由=「肥料不足」であると解るのでね。
今後困った時は早く言ってね。って話なだけです。

と、苦心惨憺しつつ仕事しております。

今日も長くなっちゃいましたね。
今日はこのあたりにしておきましょうか。
簡単には語り尽くせない生豆の世界…ちょっと見えましたでしょうか?
本業なのでつい力が入っちゃいますね😅

次回は ④輸入業者(大手商社・専門商社)

の話をしていきたいと思います。

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文責 島田ゆう

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