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キャリアコンサルタント、資格取得したら何から始める?


キャリアコンサルタントの資格試験に合格するまで、時間がない中でやりくりして養成講座を受講・修了し、試験対策のため理論や統計を一所懸命おぼえたり、ロープレで次の質問が浮かばず頭が真っ白になったり、皆さん大変な思いをしながら努力をしてきましたよね。

合格された皆さん、おめでとうございます。

今日の記事は、試験に合格した直後で何から始めようか悩んでいる、もしくは資格は取得したけれどこれといってキャリアコンサルタントとしての活動ができていなくてモヤモヤしている、そんな皆さんに何らかのヒントをお届けできればと思って書いています。


実は、この記事を書く少し前にとある勉強会で、私がキャリアコンサルタントになって最初の約1年間の取組が、上述したような「合格はしたけれど/資格は取ったけれど」な状況の参加者の方に「こういうことから始めてもいいんだ!?」「最初の1年間でこの行動量がすごい!」と予想以上に受け止めていただけたようだったので、その勉強会でお話したことをベースに、一例としてご紹介します。

勉強会でお伝えした著者の取組例

私自身も2021年の春に合格し、まだ国家資格キャリアコンサルタントとしてはそれほど経験豊富というわけではありませんが、この「最初の1年間」の取組が誰かのヒントになり、ひいては社会によきキャリア支援を届けることにつながれば嬉しいです。



0.置かれた状況の整理

まず、状況を整理させてください。

資格を取得して、何から取り組めばいいのか悩むひとというのは、資格が直結する仕事(組織の人事担当等)に就いているわけでもなく、その資格を活かした新たな仕事(個人事業主として独立、既有資格とのダブルライセンスでの活用、資格を条件とした就職・転職先等)が決まっているわけでもないということですよね。

ザックリ言えば、仕事としてキャリアコンサルタントになるアテがないということ。

同時に、そういうキャリアコンサルタントの資格を活かす方法が分からずモヤモヤするひとの状況をお聴きすると、モヤモヤの最も大きな根っこは「せっかく身に付けた知識やスキルを腐らせてしまう不安」であることが多いようです。

つまり、せっかく身に付けた知識やスキルを仕事で活かせないので、このままではキャリアコンサルタントとしての実力を維持できない。そして、実力を維持できなければ、ますます仕事にできる可能性は低くなる気がして不安になる。そんな実力低下と不安増大のデフレスパイラルに陥ってしまう。

これが合格後、キャリアコンサルタントとして活動できず、モヤモヤするひとたちの置かれた構造ではないでしょうか。


この構造を打破する方法がひとつあります。

それは、とにかくやること。

もし、知識やスキルの面でも自分の「在り方」の面でも、自分がキャリアコンサルタントであり続けることを考えるなら、それが仕事であるかどうかにこだわらずキャリアコンサルタントの知識とスキルを使う場を自分でつくること。


そういった前提の下で、それほどハードルが高くはなくて、必ずしも仕事でなくても始められる取組をご紹介いたします。


1.キャリアコンサルタントになる

まずは「キャリアコンサルタント」になりましょう。

指定登録機関に登録するといった手続きはそれはそれとして済ませますが、自分の気持ちのうえでも、周囲のひとたちにとってもあなたがキャリアコンサルタントになることが大切です。

そのために有効なのが、キャリアコンサルタントと書かれた名刺を作成することです。

「まだキャリアコンサルタントとしての実績もないのに、名刺に書いていいのかな?」
「企業に勤めているのに、まったく関係ない名刺を勝手につくっていいのかな?

まったく問題ありません。
むしろ、キャリアコンサルタントとしての実績をつくってから名刺をつくるんですか? 
その実績は、名刺もなくどうやってつくるんですか?

名刺にキャリアコンサルタントと書くと、とても背筋が伸びる思いがします。名刺に書いて名乗った以上、自信をもってこの資格を名乗れる自分になりたい。そんな想いがキャリアコンサルタントとしての活動も必要な学びも、背中を押してくれるはずです。


2.モニター制度で無形報酬を得る

私が登録機関から登録証を受け取って、最初にやったのが私が関わる公務員のコミュニティで個別キャリア相談のモニターを募ったことでした。

そこで約1か月間で10名ほどの個別キャリア相談をお受けしました。

料金は無料。ただし、事後アンケートに協力していただくことを条件にしました。私は公務員であることから、有料でキャリア相談をお受けすることに制約があります(地方公務員法の兼業禁止規定)。

なので、今でもキャリア相談はボランティアでお受けしていますが、キャリア相談に取り組むことで経験とスキルを、アンケートにご協力いただくことでフィードバックを、それぞれ「無形報酬」としていただいています
「無形報酬」という考え方については、こちらの記事を参照ください。

また、キャリア相談を無料でやることに賛否両論あるのは承知しておりますが、そのあたりについての私の考え方はこちらの記事を参照ください。

皆さんも、学生時代の友人、仕事関係の知り合い、趣味の仲間、子どもを介したコミュニティ(PTAやおやじの会、スポーツチーム等)など、何かしらのコミュニティとかかわりがあるのではないでしょうか。

そういった関わりの中で、「私、キャリアコンサルタントという資格をとったから、誰かキャリア相談のモニターになってくれませんか?」と声をかけてみてはいかがでしょうか?

念のため、多重関係にはご注意ください。


3.欲しい場を仲間と創る

少しハードルが高い印象があるかもしれませんが、勉強会やセミナーなどの「場」を創るのも、キャリアコンサルタントとして大切な取組です。

私は、「自己申告を考えるワークショップ」「育休経験者のお話をお聴きする会」「白書を読む朝活」などをやっていますが、技術的にはSNSのイベント機能やPeatixが使えればそれほど難しくありません。

「自己申告で何を書いたらいいか悩むっていうひとが多いみたいですが、キャリアコンサルタントとして、そういったことをみんなで考えるワークショップをやろうと思うのですが、一緒に企画・運営をしてくれるひといませんか?」

SNSなどでこんな呼びかけをして反応があれば、それはニーズがあるということ。仲間がいれば、自分が苦手なことは補い合うこともできます。

実は私がこれらの場をつくるのは、困っている誰かのため、という意味以上に、私が欲しい場だという意味があります。

自己申告のワークショップは、個別キャリア相談で自己申告に関わるご相談をいただくことがあるので、みんながどんなふうに感じているのか、そのサンプルを自分の中に蓄えるため
育休経験者の話を聴く会は、私が職場で育児休業からの復職者のための研修を任されることになって、事前調査として育児休業中または復職後にどんな困りごとがあるのか知りたかったから
白書を読む朝活は、キャリアコンサルタントとして最低限読んでおく必要がある白書について、私ひとりではサボってしまうと思って、一緒に読む仲間が欲しかったから

場づくりの経験は、いずれキャリアコンサルタントとして研修講師を務めたり、自らセミナーなどを開催する際にも役立ちます。ひととのつながりも得られます。

いきなり自分が中心で主催するのが難しいと感じる場合は、誰かがつくった場に参加して、①内容が自分にとって関心のあることで、②事務局のメンバーとも相性がよさそうで、③定期的に開催されている場 を探して、運営の手伝いをさせてもらうのがおススメです。①はキャリアコンサルタントとしての視点で考えるとなお望ましいと思います。

企画・運営のノウハウも学べますし、同じテーマに興味があるひととのつながりもつくれて一石二鳥です。

もちろん、「島田さん、今度一緒に●●をやりませんか?」といったお誘いや「島田さんが今度何かやるとき、ご一緒しましょう!」といったお申し出は大歓迎です!


4.のろしを上げる

最後は発信です。

自分がキャリアコンサルタントであること。
モニターを募っていること。
今度、こんな場をつくること。

これらは、対面の場で一人ひとりに伝えるだけではなく、ネット上で広く発信することで、より効果を高めることができます。
ここでいう効果とは、キャリアコンサルタントとしての認知であり、モニターへの応募数であり、つくった場への反応です。

ただし、これらの一つひとつの取組を募集情報として発信しているだけではなく、もうひと工夫欲しいところ。

それを私は「のろしを上げる」と呼んでいます。

自分が興味を持っていることについて書き、発信することで、遠くの人からも「観測」してもらうことができます。それは森の中でのろしを上げるようなものです。
こちらから興味を持ってくれている人を見つけることはできないけれど、「文章という”のろし”」を上げていれば、離れたところから、向こうから見つけてくれたりします。

実名で発信することで得られるもの(https://note.com/shimada10708/n/n3803fecb1d34

どんな想いでキャリアコンサルタントを目指したのか、誰のためにどんな支援をしたいと思っているのか、社会のどんな構造に問題意識を持っているのか、そこへ至るまでの「私自身の物語」はどんなものなのか。

そういったことを定期的に発信することで、「●●なキャリアコンサルタントの■■さん」というイメージが定着します

「●●な」の部分には、いろいろな言葉が入ります。

キャリア教育に関心がある
シニアのリスキリングの支援に定評がある

公務員からの転職支援に強い
地域でのキャリア支援を使命にしている
お金とキャリアの支援が得意
越境によるキャリア開発の実績が豊富

そう、これはセルフブランディングです(上記の例はやや解像度が粗いですが)。

発信という「のろし」を上げ続けることで、(地理的にも日ごろの活動分野でも)遠くにいるひとたちからも、あなたのいる場所を見つけてもらえます。


5.最後に

1.キャリアコンサルタントになる
2.モニター制度で無形報酬を得る
3.欲しい場を仲間と創る
4.のろしを上げる

ここまでこの4つについてお伝えしてきました。いずれも、これからどんな風に取り組んだらいいのか分からずモヤモヤしたり、焦っているひとに向けて書きました。本業としてキャリアコンサルタントの仕事があるひと、そのメドがついているひとは対象外です。

少し残酷な言い方かもしれませんが、試験に合格しただけのあなたのことを、何もなく自然とキャリアコンサルタントとして扱ってくれるひとはいません

キャリアコンサルタントになったんだと自分で覚悟を決めて、人前で堂々と名乗り、自分でキャリアコンサルタントとしての機会をつくって、ようやく世の中のひとたちは私たちのことをキャリアコンサルタントとして扱ってくれるのです。

リクルートの創業者・江副浩正氏の言葉で、かつて同社の社訓にもなっていた「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という有名な言葉があります。

自分がキャリアコンサルタントになりたい(でありたい)なら、そのための機会は自分で創り出すことが大切なんですよね。


「ちゃんと学んで面談スキルを身に付けてから」
「ちゃんと仕事として任されるようになってから」
「ちゃんと○○講座を受講してから」

そうやって、できるようになるために学ぶ/(仕事での起用や認定制度などで)誰かがやっていいと認めてくれるなんて、まったく必要ありません。

今すぐできるはず。

そのための養成講座であり、その実力を認めてもらって合格したんですよね!? 合格した以上、あなたはもうプロのキャリアコンサルタントとして立てるはずなんです。



不安はあるかもしれません。
やってみたら失敗するかもしれません。

でも、できるようになってからやろうと思っていたら、いつまでたってもできるようになんてなりません。やってみない限り、できるようにならないのだから。

その経験は、いつか出会うクライエント(相談者)のためにも、きっと大切な素材として蓄積されるはずです。


そんな挑戦をする皆さんを、私は応援してます!
一緒にがんばりましょう。


もし、踏み出そうとしたけど、もしくは踏み出してみたけれど、どうしても立ち竦んでしまうなら、キャリアコンサルタントとしてお聴きしますのでご連絡ください。


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そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。

★連絡先★
原稿の執筆や勉強会の講師、仕事や働き方のお悩み相談(キャリアカウンセリング)等のご相談・ご依頼については、下記のフォームからご連絡ください。


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