島原城築城400年記念 築城主松倉重政の物語 -六-
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寛永元年(一六二四)。都合七年を掛けて、島原の城は完成した。
惣構えは南北十一町半(約一二六〇メートル)、東西三町余り(約三六〇メートル)。瓦葺の練塀でそっくり囲み、七つの門と虎口で固めた堅牢な造りである。外郭は複雑に折れ曲がり、そこに計三十一もの櫓を設えて、外敵に対する備えは万全だった。
城郭は、縄張りの南寄りに本丸・二ノ丸・三ノ丸を南から北へと一直線に並べた。本丸と二ノ丸は幅広く深い内堀で囲み、その外に藩主の居館となる三ノ丸を置いて、実務と儀式の場を切