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オリジナルテキストにより企業を活性化。株式会社ジャンクション代表"佐々木茂"さん

人が一番育つ人材育成は自社内でオリジナルテキストを持ち、自分達で勉強会や研修を行う事だと確信する株式会社ジャンクション代表"佐々木茂"さんにお話を聞いて来ました。

プロフィール
出身地:
福岡
活動地域:
九州・西日本
経歴:
上智大学卒業後、株式会社福武書店(現ベネッセコーポレーション)入社。その後一時家業の経営を引き継いだのち、人材教育会社として株式会社ジャンクションを設立。現在、独立行政法人中小企業基盤整備機構チーフアドバイザーとしても活躍。中小企業診断士。
現在の職業:
株式会社ジャンクション 代表取締役
座右の銘:
至誠店に通ず。仕事においては「至誠にもとるなかりしか」を自問自答しております。

「オリジナルテキストを当たり前に」

Q 夢を聞かせて下さい
佐々木茂さん(以下、佐々木)
 私が知る限りでは、自社内でのオリジナル教材を持って自社内での研修を行ったり、自社内で勉強会を手掛けているという事例は殆どありません。一部の大手企業でホームページの端っこの方に書かれているのを見た事はありますが、殆どの大手企業でも、ホームページに書かれているのを見た事がありません。中小企業であれば尚更、自社内でテキストやオリジナル教材を作る事に着手していない様です。しかし、外部講師を招いて一時的に研修をしたり、多くの企業の社員が一同に集まって研修を受けるスタイルの研修会に社員を参加させたとしても、その研修を生かし、実際の日々の業務の中で具体的な行動変容を起こすところまでは難しいものです。

大変な手間である事は想像出来ますが、だからこそ私が代わりとなって、それぞれの会社のオリジナルテキストを作るのが当たり前にさせ、行動変容がおこる人材育成をサポートしていく必要があると思っています。特に、創業者の想いを従業員に伝えることはとても大事で、それもオリジナルテキストの形にしていきたいですね。

もう一つ。教えるという事は万国共通だと思っています。YouTubeなど動画を使えば今の時代は翻訳の機能もありますから、世界の人と繋がっていけます。そこで、私は今、YouTubeを使って音声のみのラジオとして、研修など仕事よりの話を20分ほど配信しています。外国人の就労に関する新たな法が施行され、今後日本では、多くの外国人労働者を受け入れる様になると言われています。ただ、それに伴い、日本の工場長がベトナムの人をどう教えるんだ、という様な事が課題になってくると思います。ですから教えるという事をキーにして動画とか特に音声で日本の事や、仕事の事を伝えられたらいいなと思っています。今、YouTubeを使って音声のみのラジオとして配信しています。研修など仕事よりの話を20分ほどしています。今から日本で働く外国の人が増えてくると思います。ただ、日本の工場長がベトナムの人をどう教えるんだ、とか疑問に思います。ですから教えるという事をキーにして動画とか特に音声で日本の事や、仕事の事を伝えられたらいいなぁと思っています。

「困っている方にお応えする」

Q 夢を実現する目標計画を聞かせて下さい
佐々木
 人材育成について「考えてる」と言われる社長さんは確かに居ますけど、実際にお会いしてお話してみると、「いやぁ。考えているのかな?」と思う事が大半です。私はオリジナルテキストの作成によって人材育成のお手伝いをします。

半年後までに、マナーなど研修にまつわる共通のコンテンツをテキストにして全てホームページからダウンロード出来る様にします。その後に、私が本来全力で取り組みたいオリジナルテキストに関しての営業活動をWeb上で始めようと計画しています。

以前、自分から営業活動をする為に、テレアポ代行を頼んだ事がありました。ただ、その場合、「電話かけてきたから、会っても良いよ」と会う事にはなりますが、大体は値段の話になり、そして値切られます。一方、キーワードを引いてくれた人から来る依頼の場合は、「こういう事は出来ますか?」という困り事の相談から始まります。その方自身が解決したい問題を自覚している状態です。私はその様な方にお応えしたいと思っています。

自分のホームページに、社長の肉声で、社員に聞かせたい事もあるだろうし、会社の歴史をまとめておきたい事もあるでしょう。今協力してくれている十何年来の友人は音声の専門で、YouTubeを使い音声と写真で映像を作ってくれています。彼の力もあり、オリジナルテキストの存在とその必要性を認知して頂けるかと思います。

「楽しく。楽ではなく」

Q 夢・目標計画を具現化する上で(毎日の)基本活動と行動指針を教えてください
佐々木
 名刺交換した人にはハガキ・メールなどのお礼状を返す様に決めてから十何年続けています。「自分で決めた事は自分でちゃんとやったよ!」と思うと自信が付きます。

それから開業したての頃は何でもやっていました。自営業者は最初は断るのが怖いものですね。やがて、お互いの為を考える余裕が出来ると、自分には出来ない事、やった事のない自信の無い事は断る様にします。お相手の方も突飛な事は言ってこなくなります。

あと、やっている事を具体的に書き出します。やった事を消していく時に達成感があります。仕事をしている時は楽しくやりたい。楽しくとは何か?それは楽している、ではないんですね。役立ち感がある事。相手の目的が分かって自分もそれなりに努力している実感がある事、それが私にとっての楽しいという事です。

「人材育成の難しさ。衝撃のアンケート結果」

Q 夢・目標計画・基本活動・行動指針に至るまでには、どんな気づきや発見がありましたか?
佐々木
 ある時、研修を終えて三ヶ月後に行われたアンケートから、受講生全員の平均をとったものとして「研修は役立った。だけど使えない」と言った結果を目の当たりにしました。

それ以来、「使えるとはどういう事か」と、ずっと考えていたものの中々直ぐに結論が出ませんでした。新しい設備を買えば、生産性として目に見えた成果が上がっている事が分かりますが、人材育成ではどうでしょうか?「成果はどうやってみるんですか?」とよく聞かれます。本当は成果は行動変容にありますが行動が変わるまでには時間がかかります。一方、研修をやった後に「何が変わったんだ?」と担当者が聞かれると答えに困ります。担当者としても、社長に報告しやすい様に直ぐに成果が欲しいですよね。行動変容という本当の意味での成果を挙げるのには時間がかかる上に把握し辛く、人材育成ではそこが難しいです。

大手が開発したものとして定量的に計るスコアがありますが、行動変容においてどれだけ信憑性があるか分かりません。中小企業でよくあるのは、営業であればそのステップを細かく分けて、「ここまでは出来た」とチェックするものです。それは新入社員から管理職前までは出来ますが、管理職になると評価の要素が複雑すぎて分からないです。マネージメントは知っていたら出来るというものではないです。

組織が機能するには、チームの共通の目的があるというのが一つと、メンバーがその目的に共感しているというのがもう一つ、あとメンバー間でよくコミュニケーションが出来ているという三つがあると言われており、共通の目標やゴールを持ち、社長も含めてじっくり皆んなで語り合う事です。伸びてる企業は、この辺りがちゃんと出来ています。

最終的には、面倒くさいかも知れないけどオリジナルで自分ところで研修をやってもらうのが一番だと想う様になりました。そして教える立ち位置が一番勉強にもなると思うので社内でも講師の役割をする人が増える事が社内の変化に繋がると思います。

「オリジナリティとは自分らしさ」

Q その気付きや発見に至る背景には何がありましたか?
佐々木
 アンケートを見る前までは守破離でいう守の自分であったと思います。やがて、自分らしさを出す事の方がよりお役に立てるのではないかと考える様になり、守破離でいうところの破である自分へと切り替えました。

在る勉強会に参加した時、大手企業の取締役までやった人と仲良くなりました。私は二代目経営者で心が病むくらい借金返済に悩みながらも何とか乗り切った経験があり「皆んなが言う程にパキパキとはならないよ」「現場分かっていないよね」「そうそう」というところでウマが合い、一緒によく飲んでいました。開業してから5年くらいの時、忙しくなれば良いなぁと思っていた頃、仲の良かったその先輩が、本来は福岡で研修しなくてはいけない時間に東京にいた事がありました。「その日に言われても行ける」「佐々木だったらよく分かってる」という事で私に代打を頼み易かったんでしょう。私が福岡で研修させてもらいました。それがキッカケで出来た縁から、その後も研修をさせて頂く様になります。転がっているチャンスを掴み実力を発揮するには、暇な時でも勉強などして準備しておく事だと思いました。その頃の私は守破離で言えば守っている段階の守でした。そんな中で例のアンケート結果を目の当たりにします。「自分は役に立っているのか?この仕事をこのまま続けていっていいんだろうか?」と言った考えが巡りました。晴れ晴れしたいのに、どんよりと曇った気分でした。

研修の講師では、最初はどうしても教科書通りになっていました。これは間違いではありませんが、自分の体験が増え、出会う人が増え、役に立つ様なバリエーションが増えてくると次の段階へ行けます。実際の会社での事例を出していくなど自分しか喋れないオリジナリティが共感や実感を持って頂けて、役に立つんじゃないのかと。役立ち感が自分の中にもあります。守破離で言えば今の私は、破っているという段階です。

記者 ありがとうございました。オリジナリティである自分らしさが今も佐々木さんの笑顔に現われている気がします。佐々木さんの今後のご活躍を心より楽しみにしています。

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【編集後記】今回、インタビューの記者を担当した島崎、新原です。誰が見ていなくても準備する佐々木さんの姿から誰かの役に立とうと努力する直向きさを感じます。まさに、人間本来の可能性と尊厳に確信を抱き、利他の心で接する人だと思いました。
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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