089.読書日記/オリーブ少女のなれの果ての雑誌遍歴と統計と語り
図書館の、返却済みだけど元の書架に戻る前の一時置きの「この図書も借りられます」棚で、酒井順子さんの雑誌「オリーブ」の歴史を振り返る『オリーブの罠』を見つけてしまった。こんなん読んだら、また懐かしさが爆発するに決まってるやん〜と思いながら、やっぱり借りてしまった。
懐かし本の上、さらに2014年発行の今から10年前の本だった。
酒井さんといえば、一般の方にはうっすら『負け犬の遠吠え』の記憶が残ってるかどうかな感じかと思いますが、元オリーブ少女の私にとっては、いつまでも「マーガレット酒井」のイメージが強いんですよね。
一時期とても人気のあった雑誌「オリーブ」。
「ポパイ」の増刊号として出された第一号も買っていたし、高校生の頃は毎号買って隅々まで読んでいる熱心な読者でした。私服通学で、DCブランドが全盛期で、雑誌をめくりながらお小遣いをどのように振り分けるかを真剣に検討しておりました。クラスの子たちと古着を探しにアメ村や元町に出かけたり、自分で作れるものは自分で縫ったりリメイクしたりも。
ファッションが一番の興味関心時であった年頃に、自分の趣味にピッタリ合った雑誌で、ファッション以外の酒井順子さんや泉麻人(オカシ屋ケンタ)さんの連載も面白くて、他のファッション誌とは違う空気を持っているのも愛せる理由でありました。この本の中に当時の連載「オリーブ少女の面接時間」をもじって「マーガレット酒井先生の元オリーブ少女の面接時間」として、元読者インタビューが載っていたのも面白かった。
『オリーブの罠』を読み、懐かしく高校時代を思い出しつつ、「『オリーブ』愛好の道はオトコに媚びないファッションを愛する『非モテ』の道」との酒井さんの指摘に、私の非モテは中三頃から始まっていたのね〜と納得したりしたのだった。
今から思えば『オリーブ』を読んでいる時期が一番ファッション誌と蜜月状態だった気がするな〜。その後、大学〜就職した初期は姉と一緒に保守系の『ヴァンテーヌ』(「ヴァンサンカン」の妹雑誌)を愛読。甘い=可愛い、辛い=シック、とし、お料理雑誌のように「甘辛ミックス」とか形容していたのが面白かった。他に『マリ・クレール』や『クレア』『ELLE JAPAN』などいろいろ目を通していたし、『ファッジ』を楽しみに読んでた時期もあったけど『オリーブ』へのような愛は感じなかったかな。
就職してしばらく経ってからは『週刊文春』をほぼ毎号買ってた。一冊300円以下時代。大ファンの和田誠さんの表紙イラストで、それが格調高くて(?)他の週刊誌とは一線を画す感じ。女性読者もワリに多いと思います。コラムが面白く、清水ちなみさんの「おじさん改造講座」に参加してて、何度か採用されたこともありました(自慢)。一度、仕事の関係で取材を受けて、名前が載ったことがあって、「和田誠さんが表紙の雑誌に名前が載った!」ことがうれしくて、記念にとってあります^^
若い人は雑誌は読まないそう(本も読まないそうですね)ですが、中高年向けの雑誌はまだ花盛りですね。今一番売れてるのは「ハルメク」(シニア女性向け雑誌)だそうですし。私は今は楽天のサブスクでいろんな雑誌に目を通してますが(「和楽」「婦人画報」「家庭画報」も読めます)、ざ〜っとページをくるだけで、これでは雑誌への愛は生まれないですね。
そういえば、創刊号から100号ぐらいの「dancyu」をメルカリで売ってやろうと決心して実家に帰ったら、自力で片付けようとしていたチチが廃品回収に出してしまっていたw 創刊号からなら売れると思ったのだけどな〜。一時期、家族で毎号楽しみに読んでいて、掲載レシピで餃子や広島風お好み焼きとか作ってとても美味しかった記憶。
雑誌文化全盛の頃を知っている身としては、今、『オリーブ』みたいに楽しみになれる雑誌があればいいのにな〜と思う。出版社さんはどこも大変そうだから難しいと思うけど。
もう一冊、最近読んだ本。
データばかり気にしているけど、数値ばかり見ていてもわからないことがあるんじゃないの?個別の経験から抽出する問題点も拾うべき価値があるのでは?という本。
私もホントにそう思います。そのデータ、本当に重要なの?っていう資料を山ほど作らされた。これ作っている時間に違うことできるんじゃない?と思いながら。統計やビッグデータを読み解くことで見えることもあると思うけど、中小企業や小さな店舗が扱える中途半端なデータをこねくり回してもたかが知れてる、と正直思っておりました(愚痴です)。
データに振り回されずに、利用することが大切ですよね。
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