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【長期連載】北海道のご当地アイドル(役者志望)の処女を無情に奪った話

ベッドの上で従順に俯せた少女は濡れた雌の臭気を放っていた。
俺は視線でじっとりと震える後ろ姿を舐め回し、
まるで交尾(つる)む発情期の猫のように
頸椎を厳しく組伏せマウンティングする。

女子制服という無敵の防護壁は既に決壊し、
匂い立つ女が俺そのものの血管の活塞(かっそく)を荒立てる
スカートを乱暴に捲り上げると、
そこには少女の年齢にまるで沿わない劣情をそそるためだけに作られた布切れが隠されていた。

このぷりぷりに張った双丘は未だ男の味を知らない
冷々たる大地で揉まれ育った白肌のきめ細かさは名状しがたく、
指頭を走らせれば絹地を撫でるよう。
迸(ほとばし)る肉欲は雫となって波紋を広げる
我慢の限界はとうに越えていた。

雷光一閃、正鵠を射る。

破瓜の痛苦があるとすればそれは洗礼―
愛など欠片も必要ない
これは処女を使った独りよがり
単なる俺のオナニーだ。
情欲の成すがまま貫いてやる。


~【序文】~

今から何年か前の話
あれはまだ大人の仲間入りを果たして間もない頃、
すでにとある分野の一線でプロとして仕事をしていた俺のもとへ、
突如ひらりと舞い込んできた一人の少女とのえっちなお話。

"性の神はまんぽこにおわし
  すべて世はちんぽこなり" 


~「You've Got Mail.」~



"ニコニコ生放送"

摩訶不思議なこのツールの名をご存知だろうか?
一般人がそれぞれ自分の局を持ち、
思い思い好き勝手なコンテンツ(当時999割はくだらない下賤なもの)を垂れ流す配信サイト
画面上を右から左に流れていく文字列は視聴者のコメント群、
当時こそ斬新ではあったが
今では誰でも知り得る仕事の一つとなった、
Youtuberの元祖とも言える隠者の巣窟。
それが"ニコニコ生放送"だ。


事の始まりはそこで活動する一人の少女から送られてきた一通のメール、
ニコニコ生放送の配信クオリティアップのため
その協力の打診だった。


―――


「You've Got Mail.」




…カチッ

カチッ

non. <□□□□@□□□□.com>
To

"はじめまして!俺さん。
アイドルやらせてもらってます。望です。(ღˇᴗˇ)
俺さんのお仕事よく見てます…!
のんのほわほわ放送局(http:///www.niconiconama/co07214545)ってとこで配信してるんですが、
そこでなんですけど、私の配信に手伝ってもらうことってできます…か?"


「なんだァ…?」


初空月の昼下がり、
つれない気候に熱を奪われ
仕事もそこそこにコーヒーブレイクに耽る
その温度は生煮えの心とおんなじだ。

そこへ届いたのがこの一通のメール
時間は経てど、文体はほぼ原文ママと記憶する
そこかしこに漂う若さは当時の俺を苛立たせた。


カチカチッ

そっとメール画面を閉じる

「ロハで俺の能力にありつけると思うなよ…。」(俺の思考態度も大概である)



「…。」

カチ

カチカチ…


~【のんのふわふわ放送局】~


  *:-:*゚。☆彡❤。゚+**:-:*゚。☆彡❤。゚+**:-:*゚。☆彡❤。゚+**: 

_ 。*✿ ©.のんのふわふわ放送局✿*。_

*:-:*゚。☆彡❤。゚+**:-:*゚。☆彡❤。゚+**:-:*゚。☆彡❤。゚+**:

♬ のん*
♥ Birth:07/28  ♥ Tall:162cm  ♥ Cup:E

✽ 声真似リスト
エミリア ベア子 レム ラム ほか

♬ ふぇーばりっと
ゼルダ FF カービィ KH

✽ コミュリンク
うんちゃらかんちゃら

BGM&効果音お借りしております。

なんとかかんとか


ふと一握の好奇心に身を委ねた結果
異なる文化圏に足を踏み入れた俺は戸惑う、
眼前に広がるは七色奇体に踊る文字列。


「ま、眩しい…。」


ただその瞬きの間、
立場はくるりと翻転する


「…。

 …。

 かわいいじゃねえか…。」


コミュニティのトプ画を飾る少女の名は"のん"
天使な小生意気が
ふんだんに実るまだ未熟な果実が
俺の褪せた瞳に"色"を齎(もたら)せた。


むくむく…っ


邪法か外法か
よこしまな律動を繰り返すそれは
画面の向こうの幼気な少女の正鵠を射抜こうと
真っ赤な天狗の鼻と化して逆上する。




~【天狗の鼻を折れ】~

それから数日が経った
実際俺はメールを返すことはしなかった。
色狂の自覚は携えつつも
当時の俺は忙しかったのである

現在の仕事に加え、次の季節からは新たな試みも始まる。
色欲に囚われ自身を見失うわけにはいかないのだ。
熱いコーヒーを淹れ、
導火線に火をつける。


「You've Got Mail.」


その矢先
耳に届く男の合成音声。

以前にも聞いた、登録外のメールの着信音だ。

「…。」

立ち所に消えた火を差し置いて、
俺の手はマウスに伸びていた。


カチッ

non. <□□□□@□□□□.com>
To

"望です!
俺さんすごいですね(    ¨̮ )و✧
〇〇〇〇(俺の仕事)見ました(。ŏ_ŏ。)!
相変わらずすごいクオリティ…!"


「…。」

カタカタカタカタ…トンッ


ore <△△△△@△△△△.com>
To non.

"はじめまして俺と申します。
すいません、お返事遅れちゃって、、
うれしいです!〇〇〇〇(俺の仕事)見てもらえて。
ちなみになんですけどどこで見てくれた感じです??"



non. <□□□□@□□□□.com>
To

"〇〇〇〇(専門学校)のパンフレットに載ってましたよ!(。ŏ_ŏ。)
私3月からそっち行くんですー
〇〇〇〇(専門学校)通うんで…!"


雷光一閃


スタンド使いは―――


スタンド使いは
スタンド使いにひかれ合う


状助、おまえの言葉
俺は今心で"理解"した。


避けては通れぬ道だったのだ

"起こることは避けられないこと"

俺たちは、必ず出会う。


カタカタカタッ…トンッ

ore <△△△△@△△△△.com>
To non.

"奇遇ですね望さん"

ore <△△△△@△△△△.com>
To non.

"俺、今年の春からそこで講師するんですよ。"

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