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【読書ログ】森岡毅 必勝の法則【なぜ停滞市場で結果を出せるのか】

日本を代表するマーケーターの森岡さん。関連書籍はすべて読んでいます。

本著は、森岡さんの自著ではなく、記者の取材をもとに第三者視点で書かれています。森岡さんや経営されている「刀」、メンバーなど客観的な内容なので、違う視点でおもしろいです。

下記印象に残った点を引用しています。


✔データの扱い=楽観ではなく保守的に

実態と異なるデータを森岡は「毒入りデータ」と呼ぶ。そんなデータが導き出すのは上振れした予測だ。楽観的なデータを基にした予測は楽観的になる。「需要予測は保守的でなければならない」と森岡は数字に厳しい。正しいデータを入れれば日々、需要予測は進化する。インテリジェンスチームとマーケターが意思疎通を重ねながら、刀の需要予測は日々磨きをかけ、高い精度を導くようになっていく。

✔森岡さんが行う本当の消費者理解

USJ時代にはこんなことがあった。「森岡さん、こちらから入ってください」酷暑が続く夏のとある休日。子供らと妻を連れて家族全員でアトラクションの列に並んでいた森岡に、気を利かせたスタッフは手招きして小声でこう言った。しかし、これに対して森岡は首を振った。少なくとも、消費者と同じ条件でなければ真の意味で消費者を理解できないー。森岡はそう考える。「暑い中、長い行列で待っている間、消費者は何を見て、何を聞いているのか。消費者を理解するため、消費者と同じように入場料金を払い、同じように列を並ぶ」それが経営者でありマーケターである森岡の流儀だ。

刀の消費者理解のためのいくつものセオリーを持ちながらも、森岡はそれに依存することなく、自らやってみることをないがしろにしない。それほどやらなければ真の消費者理解は難しいと考えるからだ。

たしか以前、「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演した回(USJ時代)で、帰宅後にゲームをやり込むシーンが印象に残っています。

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✔顧客から求められる真の営業

ニップンのパスタ事業の変革で、刀が重視したのは商品戦略だけではない。全国スーパーマーケットなど小売店への営業手法も見直した。

従来、小売店への営業はニップンの製品を売り込むだけに終始していた。それが今では、消費者が何を求めているかを調べて分析し、なぜそれが売れるかまで説いてみせる
さらには、地域性や客層などを考慮し、スーパーの各店舗が置かれている状況を分析。そのスーパーの来店客が求めているものから逆算し、他社製品も含む売り場づくりや品ぞろえのあり方までを提案する。

ここまで深い提案ができれば、自然と顧客から求められる。営業職として提案のヒントにできそう。

✔森岡さんの原動力

たまたま1人で道を歩いていて、もしそこで誰かが倒れたとしたら絶対に助けますよね。私は今、そういった心境です。目の前に、世界的に評価の高いアニメやゲームなど日本の大きな可能性がある。そこにたまたま、私が通りかかった。これまでに得たノウハウを使えば何とかできると思えているこのときに、それを助けずして通り過ぎた先に納得して死ねる人生が待っているとは思えません

森岡さんの言葉(文章)には、情熱を感じる。「日本オワコン」みたいなことも見聞きしますが、日本の可能性はまだまだありそうと、希望がもてる。

以上です。


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りょう@30代会社員パパ
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