魔性の子②】岩木、やめとけって!死のフラグ立ちまくりの生徒を前にページをめくる手が止まらない回【完全初見感想文】
こんにちは。あが太です。
この記事は女性向けゲームや2.5次元舞台を好んで見るオタクが、ミリしら作品十二国記シリーズを読んだ感想文記事です。
現在1冊目の「魔性の子」を読書中になります。
最初の記事はこちら↓
魔性の子初見反応記事の2回目になります。
この記事は新潮文庫のP76ページからのリアルタイムな感想メモしたものです。
普通の感想文とは違いますのでご了承ください。
ファンが初見反応を楽しむ向けの文章なので未履修者が見ても分からない内容になってます。未履修者は「魔性の子」を読了後、観覧してください。
※文字数削減のためにここから敬語がなくなります
魔性の子(P76~)の初見反応感想記事
広瀬は橋上の家を訪れる。
釘を記念に残して行くタイプなのかと少し笑ってしまった。
怪我した時の状況を知れば知るほどやはり幽霊じゃないと僕は思った。
ポルターガイストのような曖昧な暴力ではなく、はっきりと狙って手に釘を打つという状況がとても怖い。
広瀬は次に築城の家を訪問する。
小説内の日常描写が興味深かった。
Googleマップのない時代なのかなと文庫本の発売日を見たら1991年だった。
交番で道を聞かなくてはいけない時代だったのか。
Googleに頼りっきりの僕からすれば、外出難易度が高い時代だ。
その分、交番とか出会った人に道を尋ねるとか小さな体験をしながら初めての場所に行くのは、RPGやオープンワールドに踏み込んだような感覚で楽しそうだと思った。
築城の話でわかったこと。
前回も含めてこうじゃないかと予想してたことの中からハッキリ僕の中で確定したことがある。
内容が重複するが整理する。
白い手をした女性のような姿の存在は神か妖怪の類に近い。
「高里を怒らすと死ぬ」と言うが、高里自身が何かをしてるわけでなく勝手に白い手が行動している。
そのため高里は空気のように静かに過ごして何も起こらないように居る。
もしも白い手を利用する人間だったらジャイアンのように偉ぶってもいいはずだ。
だが、高里は大人しいので自分のせいで人が死ぬのは嫌だと思っているのかもしれない。
もしくは無関心。
この世界に興味がない。
(~P105まで読む)
酒に酔った生徒の事故死。
聞いた話だけだとただの事故に感じる。
だが、本人はもしかしたら白い手を見ているかもしれない。
死人に口なしで確認が取れない。
高里のせいだと思う生徒と、ただの事故と思う生徒と両極端に分かれそうだ。
僕ならばオカルトをある程度信じているので「高里の呪い」だと思うだろう。
読者は冒頭の白い手に攫われた描写を知っているし、僕は事前情報で「異世界もの」と聞いているので高里が消えた理由が「異世界に居た」とわかるが、警察からすれば謎事件だな。
祖母は白い手によって死んだと予想してたけど違った。
葬式に裸の少年が帰ってくる。
しかもすくすく育って健康体だ。
つまり異世界の生活では彼の世話をしてくれた人がいるということになる。
どんな生活を送っていたのかとても気になる。
なぜ祖母の葬式で帰ってきたのだろうか?
高里を虐める祖母が死んだから戻した?
だとすれば高里は偶然異世界に呼ばれたのではなく、最初から選ばれた存在なのかもしれない。
高里が異世界にとって重要な存在で、虐められている状況を脱するために一時的に異世界で保護したのだろうか。
高里の方は、こちらの世界よりも異世界に執着があるようだ。
よっぽど神隠し先が楽しかったんだろう。
白い手は高里にとってはいい存在に違いない。
過保護過ぎて高里に害なすものを片っ端から事故させちゃうのがホラーだけど、そんな強い存在に愛される状況…、一度は体験してみたい。
後藤の「広瀬なら理解できる」発言がとても気になる。
なぜ広瀬ならば理解出来るのだろうか?
広瀬も神隠し経験者なのか?
だから白い手が広瀬には見えているのかもしれない。
場面は切り替わって「夜の海で煙草を吸う男」
短編怪談のような物語が突然差し込まれた。
煙草を吸う男による物語だけでも読み応えがあるのが素晴らしい。
怪談みたいな展開でここだけ切り取っても物語として楽しめるのが凄い。
煙草を吸う男が車に乗せた女性。
僕の予想では今のところ「白い手」だと思っている。
メタ的な話をするが、この物語でしっかりと登場する女性キャラが今のところ「白い手」だから、白い手が全身の姿で現れたのかなと思った。
そうでなければ新キャラか。
人間ではない「たいき」を探している。
とりあえず町に行きたいということは居場所は分からないが人の居る所に「たいき」はいるということだよね。
もしも女性が新キャラならば、「たいき」は高里と仮定して読む。
女性は異世界の住人で異世界で高里は「たいき」と呼ばれていたのではないか。
四章
高里と広瀬が会話する。
広瀬も異世界に行った側の人間かと予想したが違った。
臨死体験者だった。
異世界と臨死体験は違うものな。
でも異世界だと思ってたものが実は臨死体験だったという物語展開はよくある。
いわゆる夢オチ的な。
僕も異世界ネタを創作したことがあって、オチはEDを迎えると病院とベッドの上だった結末を考えた。
異世界の冒険は意識不明で混濁した脳が見せた夢だった…。
こういう終わり方異世界の物語が良ければ良いほど、読者の心に寂しさを植え付けるよね。
バッドエンドではないけど、しゅん…とさせる。
本編に戻ろう。
高里は覚えてないけど異世界は良いところだったんだな。
やはり大事に育ててくれた人がいて、楽しい思い出が体のどこかに残って、覚えてないけどこの世界よりも良い家族や友人が異世界にはあるのだろう。
ますます異世界での暮らしが気になる!!
……岩木、やめろ。
祟りを信じないだけじゃなく、祟りを信じて高里が周りに溶け込めない状況をイジメのように感じていたんだな。
正義感が強いけどやり方が乱暴なのよ。
読者の僕は「高里に平手打ちしたら死ぬ」ってオチがもう見えてるからさ。
読み進めたら岩木死ぬじゃん。
…え…、死ぬのわかっててページをめくるんですか…。
せめて苦しまずに死んでほしい。
…さて、ページを進めますか。
岩木の死を見届けるために…、進めますか。
なるほど、体育の授業で事件が…、
え?えええ?
待ってヤバい!そんな…、え…そんな死に方ある??
僕は最初勘違いをしてた。
岩木の身体にたくさんの踏み跡があったという描写で、白い手の女性が岩木をたくさん踏みまくったのだと思ったんだ。
でも、岩木のポジショニングに代わりに誰かがいたってことは、白い手の女性は岩木の場所に収まってたんでしょ?
つまり踏みまくったのは生徒…。
エグイ!えぐいって!!!!
冷静に感想文メモを取ってる状況じゃないって。
知らない間に自分たちがクラスメイトを死ぬほど踏みつけていたってことでしょ。
えぐいよ…。
死んだ岩木も可哀想だけど、踏んじゃった生徒も可哀想。
僕の読解力あってる?間違いだと言って欲しい。
やだやだ僕なら即転校。もしくは不登校します!
準備室での高里と広瀬の会話。
高里が怖い。
最初僕は高里を「自分が怒らなければ祟りが起こらないかもしれないと頑張って感情を無にしてる人」かと思っていた。
違った。
自分を人間と思ってないパターンだった。
周りと同じ人種でないのでみんなが害と思うのは仕方ない、ですって。
例えば、イジメや虐待に苦しんだ人は自分を痛めつけた人に洗脳されて、「自分は気持ち悪い存在です」「自分は悪です」みたいなことを本気で思うらしい。
「ブスだブスだ」と毎日貶されると、美人も自分をブスだと勘違いして思い込むみたいな状態だ。
高里は家庭環境で虐待に近い躾をされていた。
それが原因で「自分はこうだから仕方ない」と思っているのだろうか。
でも冒頭の祖母の台詞を見る限り自分を「悪い子」だと思い込むことはあっても、他と違う人種だみたいに思い込むかな。
異世界で「人間ではない」とか「異世界人なので違う」とか「アナタは特別な存在」とか言われながら育った可能性もあるのかもしれない。
どちらにせよ、そういう考えに至るのは現実では心の病を疑う。
だが創作なので「異世界人だから皆とは違う」という描写なら特に精神を患ってるわけではない。もしも高里が異世界人だったらの話だ。
今回の読書初見リアクションはここまで!
感想まとめ
今回も読みごたえがあった。
じわじわと高里のことがわかっていく物語展開がとても面白かった。
いろいろ妄想しながら読み進めて行くのが好きなのでメモしながらごちゃごちゃと考えている。
記事を読む人を置いてけぼりにしていないか不安だ。
岩木の平手打ちから死までは読み進めたい気持ちと読み進めたくない気持ちが出たが、物語が気になり過ぎてどんどんページをめくり、岩木の死を見届けた。
手に釘だけでわりと怖いなと騒いでた僕なので、岩木の死に方は衝撃でリアクションが冷静に出来なかった。
この衝撃がピークだったりするのだろうか。
それともこれよりもスゴイ何かがこの後に起こるのだろうか、先がとても気になる。
高里のことが少し、怖くなった。
今は善人なのか悪人なのかすらわからない。
何者なのかもわからない。
主人公は読者が共感できる存在なのがいい、だから広瀬の視点であることがよりこの物語をより面白くさせる。
高里の不気味さが際立つ。
僕はときに広瀬、ときにクラスメイトのモブになりながら高里の祟りを見ている。
「白い手」の存在を知りながら、非現実的なことが目の前で起こっており、それは偶然じゃないことを知りながら、だけど高里がわからない。
この感覚がドキドキを加速させる。
怖いのに、知りたい。
この物語はホラーな展開を踏みながらミステリーでもあり、よく出来ている。
最初は高里みたいに神隠しにあってみたり、白い手に過保護に守られたり、など中二病をくすぐるような設定に興味を持って自分が高里みたいな状況なら…なんて考えもしたが、今はひたすらクラスメイトのモブとして震えている。
高里みたいになってみたいだろうか?
不気味さがあってちょっとづつ彼から距離を取っていく自分がいる。
異世界もの。
トラックに轢かれたり、魔法陣がいきなり現れ召喚されたり、気軽に異世界に飛ばされ1話目から冒険が始まる昨今…。
読みなれたあのお決まり展開とテンポとは全然違う。
だがそれがいい。
これからもずっと高里をめぐり事件は起こっていくのだろうか。
まだまだページ数があるが、この先どうなるかわからない。
ドキドキしながら次を読み進めよう。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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