「志高く」バックナンバー⑪~「大丈夫!」~
こんにちは、志高塾です。
今週火曜日に更新された「志高く」では、代表の長男に関するお話が出てきました。
今日はそれにつなげる形で、13年前の内部向け「志高く」を再録します。タイトルから察するに、当時の代表はたびたび愛息子の話題を取り上げていたようです。
こうやって書き続けてきて、その文章が残っているからこそ、改めて振り返ることができ、そして成長を実感できるのですね。
「志高く」Vol.36「またですかっ!」(内部向け/2010年4月発行)
「またですかっ!」と、言われそうですが、めげずに愛息子との話。
近所に新しくフィットネスができたことをきっかけに、親子スイミングに通うようになりました。平日の午前中に行われるので、ほとんどの子どもがお母さんと一緒です。最初は恥ずかしかったのですが、今では我が物顔で入っています。
プールは、更衣室の1つ上のフロアにあるので階段を上らなければなりません。途中に、2つの踊り場があり、そこまでに、それぞれ10段ぐらいの階段があります。そして、2つ目の踊り場から、最後に3段ぐらい上れば到着です。当然、全ての段差は同じです。いつも上らせようとするのですが、10段を前にすると、一度は上を見るものの、必ず抱っこを要求してきます。しかし、最後の3段は嬉しそうに声を上げながら、走って自ら上ります。
私は、コーチから「スパルタ」の称号をいただいています。たとえば、水に顔をつける時も、お母さんのほとんどは子どもが泣くので、「怖かったね~」と言って、止めてしまいます。私は、どうせなら、と思い切り沈めます。最初は、水を飲んでむせ、当然のごとく泣きわめいていましたが、今では全然泣かなくなりました。
また、自由時間には腕に浮き輪をつけて一人で浮かせていました。慣れないうちは、怖いから泣いて暴れます。すると、上下動して顔が水につかり、口に水が入ります。それを学んだので、1ヶ月ぐらいすると、全く動かないことを覚えました。最近では、どのように動けば口に水が入らないか、また、顔がつかっても大丈夫かが分かってきたので、コツをつかめるようになりました。
我々は、子ども達の気分に合わせようという気はありません。上の例で言うと、水に顔をつけたら泣くのが当たり前なので、そこで止めていたら前には進めません。大事なのは、「まずはやってみる」ということです。最初は、うまくできなくても、そのうちに対処法を体得していきます。取り組む前からあきらめたり、方法を教えられたりしてしまっては、自分のものにはなりません。
ただ、与えられた課題が10段も先だと、先が見えなくてやる気をなくしてしまいます。だから、3段がいいのか、4段がいいのかという見極めは必要です。
文章を書きながら、プールでのことをいろいろと考えていました。そこで、気付いたのは、しり込みする息子に自分が同じ言葉ばかりかけているということです。「こうしなさい、ああしなさい」でなく、「勝手にしなさい」でもなく、「大丈夫!」という言葉です。
志高塾で出会った子ども達には、強く逞しくなってほしい。自分で限界を作らず、思い切って取り組むことを繰り返してほしい。だから、我々は子ども達に課題を与えるとともに、「大丈夫」という言葉(気持ち)をこれからも添えていきます。
松蔭俊輔