【酒蔵復興】井戸水の話
間が空いてしまいました。。。
4月末で酒造りは落ち着いたのですが、4か月間後回しにしていた打合せや経理処理、酒屋さんへの挨拶周り。
日中は打合せか外出、夜も場合によってはWEBミーティング。
知らないことばかりなのでついていくので必死、終わったら脳がオーバーヒートしてほけーっとなります。
そこからの経理処理。税金や厚生年金の支払いとかとか資金繰りを考えたりとか。
ミスも多いし、まぁ効率悪いですね苦笑
片道2時間運転していた時も帰った瞬間に集中切れてほけーっとなっていましたが、これはこれでしんどい。
そんな忙しいアピールはさておき。
酒蔵を復活させるというと、「水はどうするの?」とよく聞かれます。
今日は20年ぶりに水を抜いた井戸についてのお話です。
当然ですが、酒蔵は相当な量の水を使います。
利用する機器にもよりますが、例えば洗米では洗う米の15-20倍の水を利用します。
つまり300kgの米を洗おうとすると6000Lくらい、これはお風呂30回分です。
日本酒を仕込む時は米より水の方が多いし、洗い物も多いし、機器の清掃のために水を掛け流すことも多々あります。
そのため、いい水が出るところに酒蔵は多くありますし、またいい水を求めて蔵自体を移転することもあります(最近だと大信州さんとか)。
という訳でいい井戸があるということはかなりのアドバンテージなのです(コスト的にも)。
という前提を踏まえた上で。
この前まで伊東は不安で不安で仕方ありませんでした。
そう、うちの井戸、大丈夫かなと。
何度も発信していますが、うちの蔵が廃業したのが2000年。
今は2021年。
この間、当たり前ですが井戸は使っておりません。
バナーの画像を見れば察して頂けると思いますが、廃墟の一部と化しています。
気になってはいたのです。
でもポンプも生きているかわからないし、そもそもこの蓋、重くて一人じゃ上がらない笑
そしてこの井戸は古い蔵の中にあり、暫くの間自分達の手から離れていて、1月に酒造りを行う工場と一緒に戻ってきました。
そして1月は既に名張に通っていたため時間もなく。。。
でもでもここが使えないと計画が全部狂います。
ちなみに水道水で酒を仕込むことも勿論可能です。
特に愛知の水道水は全国的にも優秀で酒造りで利用している蔵も多いと聞きます。
それでも地域、地元に拘っている以上、この井戸水で仕込みたいと思っていました(コスト的にも)。
という訳で伊東不在の中、4月に井戸水の汲み上げをしてもらいました。
その様子がこちらです。
ちょっとわかりづらいですが、水はじゃんじゃん出ていました。
55年くらい勤めて頂いている番頭さん曰く、水量も昔同様とのこと。
井戸自体は15mくらいありますが、水源は7mくらいとのこと。
思ったより浅井戸でしたね。
水源はよくわかりません。
言い伝えはありますが、信ぴょう性に欠けるのでここには書きません笑
兎にも角にも20年ぶりに時を刻み始める井戸。
また一つ、敷嶋の歴史が動き出すんだなと電話で報告を頂きながら、しみじみと思ったのを覚えています。
いやー現場にいたかったなぁ。
ただポンプで井戸水を汲むだけのイベントだけど、自分がやろうとしていることの一つの象徴がこの井戸だったんですよね。
けど、致し方なし。醪を放っておく訳にもいかず。
そして2週間くらい流しっぱなしにした後、簡単な水質検査も行いました。
結果は十分な水質、やっぱりいい井戸でした。
海が近いので若干塩分多めですが当然細菌も検出されず。
そりゃ昔の敷嶋は美味しかったのだから水もいいんだろうなとは思っていましたけど水質は変わることもありますし、かなり不安でした。
その不安は無事に解消、一安心です。
ちなみに飲みました。美味しかったですよ。
今はこの井戸水をどうやって工場まで持っていくかを一緒に考えてもらっています。
配管とかポンプとか酒造りに利用するまで何のフィルターを通すかとかとか。
ここも知らないことが沢山。
日々勉強ですね。