詩「きょうのつき」
月明かりのスポットライト
君の横になった背中が浮かんでいる
疲弊した薄い背中 白の肌着
無言の苛立ち ごめんなさい
今年一番の月だってさ
僕起こしたくて君の指を食べた
そしたら君は蔑みに満ちた黒目で
「なに?」って肩をすくめたんだ
僕その途端に
「この人のこと好きじゃない」って思ったよ
落ち込むのも自責の念も
全部僕由来の光の柱
僕だけでいいよそういうのは
「きもちわるい」僕だけでいい
君の背中が遠のくよ 近いのは月だけみたい
林檎病です 拒絶しないで
月光よ 僕の頬を冷やしておくれ
あの視線に引っ叩かれた
僕の頬はひりひりしてる
今年一番の月なのに