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カメラセンサー付き鳥
空気の冷たさがいっそうきりりと引き締まるこの季節。
鳥たちはよく枝に止まってじっとしている。
時には、ふっくらと丸みを帯びたフォルムを見せる。
まるで、縮こまりながら羽毛を立たせて、寒さから身を守ろうとしているように。
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この木がよく見えるテラスにわたしがうろうろと姿を見せても、鳥たちが逃げることはない。
洗濯物をバサバサと音を立てて振っても、彼らはまったく動じないのだ。
むしろ、もっと集まってくることもある。
わたしは危険物とは見なされない。そうに違いない…!
────それなのに。
集まって羽を休めたり、木から木へと遊んだりするたくさんの彼らを撮ろうとカメラを手にする。
気配を消し去り、カラ…カラ……とゆっくり、静かに窓を開けて、足音を忍ばせテラスへそっ…と出ると、それだけでもう彼らはいっせいに飛び立つ。
枝は見事にもぬけのからで、乾いた風が通り抜ける。
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上の二枚のように、たまには奇跡的に撮れるけれど、逃げられる時の方が圧倒的に多い。
なんなの、鳥のカメラいややねんセンサー。
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