⑥小説(その他)編:エントリー作品のご紹介 #ひかむろ賞愛の漣
こんにちは。ひかりのいしむろ店主のあゆみです。
石と言葉の #ひかむろ賞愛の漣 のエントリー作品のご紹介、ついにラスト(第六弾)をお送りします。このnoteでは、ファンタジー以外の小説全てをまとめました。
(見方によればファンタジーな作品もあるかもしれません、私の主観で分けさせていただきました。何卒ご了承ください。m(_ _)m)
①詩歌編
②お手紙編
③エッセイ(家族系)編
④エッセイ編
⑤小説(ファンタジー)編
⑥小説(その他)編(このnoteです)
↓全てのエントリー作品はこちらから
コンテストの結果については数日内の発表を予定しています。
それでは、どうぞ!
小説は、千羽はる賞(小説賞)を担当いただいている千羽はるさんと私二人からのご紹介コメントでお送りいたします。
(以下、千羽はる→千、光室あゆみ→あ)
【小説】 価値のない宝石(坂 るいすさん)
坂るいすさんは愛の漣に2本書き下ろしてくださいました。もう1本はこのまとめの最後に掲載させていただきました。どちらもとっても贅沢な作品を寄せていただいて、本当にありがとうございます。
↓ネタバレを防ぐため、二人でもどかしいコメントをしています。
完全にしてやられました。奥さんのキャラクターも「僕」も二人の関係性もとてもチャーミングですいすい読んじゃいます。読み終わったら、ぜひもう一度タイトルを読んでほしいお話です。(あ)
そこそこ石好きと自負する私から、この作品にただ一言を送りたい。
「してやられました」(千)
そんなわけで、妻はプライベートでは宝石類を身にまとわない主義のようだったが、一つだけ、僕にはどうしても解せないことがあった。
それは、自分は要らないといったくせに、彼女の方が僕に宝石をプレゼントしてきたことだった。
未来へのお守り。(青樹ひかりさん)
誰もに無視される学校からの帰り道、ふと見つけた蔦だらけの家。飛び出してきた女性に急遽、大量のおにぎり作りを手伝わされて.... ?
孤立した経験のある方に、児童文学の好きな方に、あとジブリ作品が好きな方にも、ぜひ読んでほしい傑作。私は感情移入しまくりました......涙(あ)
胸に抱く小さな「お守り」が、空っぽを埋めるために今日もまた、輝いている気がする。(千)
麻子は透明人間になった。誰も麻子に話しかけない。休み時間にトイレに連れ立っていく時も誘われない。
麻子は誰にも見えない存在になった。
僕が指をぱちんと鳴らせば(智春さん)
あぁ、この物語のテンポ、すっごい好きだなぁ。
きっと彼女には伝わるはずだ。きっと彼女はかかるはずだ。
「僕が指を鳴らせば」広がる愛の魔法に。(千)
サーカスの火の輪をくぐり続ける"君"の寝息を感じながら語られる、やさしい"僕"の愛の詩。
愛なんて、最初からぴかぴかのやつを身体の中にみんな持って生まれてきたのに
私は、それを何に使うだろう。使っているのだろう。(あ)
同じベッドの中で見る夢の中身は永遠にちぐはぐなんだろうけれど、それでも僕は君を愛してる。
揺れているのは(siv@xxxxさん)
彼女は揺れている。
香りに、空間に、そして、彼に。ほのかに始まりそうな愛の予感が、日付の変わる紫色の朝に訪れるのかもしれない。(千)
地下の重い扉の向こう、カウンターに揺蕩うきらきらした粒が見えるよう。いいなぁ。この余韻にずっとひたっていたい、金曜日。(あ)
はいといいえともどっちつかずの私の答えを待たず
彼は私の前にすいと体を滑り込ませ
肩で押すようにして扉を開けた
月の女神とアメジスト(tsumuguitoさん)
月の女神は、傷付いた彼女に月光伝いに微笑みかける。「あなたは幸せになりなさい」と。(千)
男は石を渡して出て行った。無責任だとなじることも精一杯の優しさとも言えるその石は、「何より気持ちを落ち着かせてくれる 私にとっての命薬(ぬちぐすい)」切なさと幸せは同居できると気づかされる物語(あ)
冬の水は冷たい。
この冷たさが好きだ。
冷たく感じるこの痛みが
生きていることを
雨風を凌ぐ家があることを
娘たちがいる幸せを
体と心のずっと深いところで
感じさせてくれる。
痺れるほどの冷たさに
みるみる紅く染まっていく
私の両の手。
~Start Again~(岩代ゆいさん)
家族とは難しい。それでも「守るべきもの」をしっかりと見つけ、再び立ち上がる彼女の姿は「母親」としての慈愛に満ちて、眩しく見える。(千)
愛ってなんだろうという問いは、人間の存在する限り永遠のものであると思う。何が誰がどうあれば愛なのか。答えはひとつではなくて。なんだろうと、手探りでも進む、進める。その人の心臓はたしかに愛でできているから。(あ)
歩け。自分の足で。守るべきものを、見誤るな。私の人生は、私だけのもの。勝手で結構。歩くんだ。この足で。自分だけの道を。
きくから(伊藤緑さん)
どこかに痛みを感じる、けれどそれをふと越える文章のまろやかさ。登場する二人の間には、言葉にするのはもったいない「慈愛」があった。(千)
はじまりから最後の一行、その先まで美しく息を殺しながら読みました。したたり落ちる雫のような深夜のふたりの物語。こんな日常ほど愛しいものはないと感じます。(あ)
あごへ押しつけようとしたら、夫は上半身をのけ反らせて。腕で払おうとしてきて。それでもしつこくやっているうちに、小さく、本当に小さく、夫は笑って。自分の口からも、笑声がくすくす、こぼれていって。
とあるホテルマンとガイドのバレンタイン 後編(アセアンそよかぜさん)
異国の素敵な風景を背景に、恋人同士の愛が深まってゆく。とびきり美味しいチョコレートを、ぜひ読むときのお供に。(千)
リアルなベトナムの街の写真と共に綴られる、ゲイカップルのバレンタインストーリー。ゆっくり着実に幸せを広げていく二人を応援!(あ)
ナムはいつもの通り、しっかりと七三の髪型で決めていた。そして2月のハノイの気温は、東南アジアらしくない低い温度なので、青と白と赤のストライプのセーターを着ている。
実はこの色はファットの好きな色。そんなファットは髪型などは普段と同じであるが、私用ではまず着ることのないジャケットに身を通していた。
咲子(小川牧乃さん)
日向に咲く小さな花のような、恋。
誰かが誰かを思う美しさが、物語の中でキラキラと息づいている。(千)
幼い女の子と思われる主人公ともうひとりの女の子の、無邪気な愛の物語。ちょっとシュールでぞわっとする感じも。次章があれば、ママ視点で描かれたものを読んでみたくなりました。(あ)
お母さんははいゆうのなんとかくんのファンクラブに入っているけど、それからあんりさんやみくさんは アイドルのなんとかくんが好きだというけれど、わたしはどう考えてもあなたのほうが好きです
【小説】 母の言葉(坂 るいすさん)
何よりも強い母の愛が、言葉が、一人の女性を育て上げる。
優しく強い「大事な言葉」を、心の中に持ち続ける女性を。(千)
たくさん話を聞いてくれて、いつもあたたかな言葉をくれるお母さんのお話。どこかで何かに気づいても、どうかそのままなだれ込んで。最後から少しずつ遡って、もう一度頭から読んでください。幸せな読後感をありがとうございます。(あ)
茜が幼稚園でお友達と喧嘩をしたとき、母は、
「たくさん泣いたらええのよ。たくさん泣いて、どうしたらいいか、ゆっくり考えてみたらええよ。えらかったね」
と慰めた。
小説まとめは以上になります。
素晴らしい作品を寄せていただき本当にありがとうございました。
読み逃していた作品がありましたら、ぜひ開いてみてくださいね!!
それから... ごめんなさい!
私は、1つの作品をマガジンには入れていたものの、エントリー作品まとめに入れそびれていたことに気づきました........こういうミス多くて申し訳ありません...!こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
以上で、ほんとに全ての作品のご紹介を終わります。(もし、もし、万が一「私の紹介されてないよ?」という件ありましたら、こっそり教えてください!!)
ここまで読んでくださっている皆さん、ありがとうございます。
コンテストの結果発表は、数日内を予定しています。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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