#ひかむろ賞愛の漣 結果発表
こんにちは。天然石のマクラメジュエリー ひかりのいしむろ店主のあゆみです。
大変長らくお待たせしました....!
石と言葉の #ひかむろ賞愛の漣 コンテストの結果発表に参りたいと思います!
石と言葉の #ひかむろ賞愛の漣 とは、2月の誕生石であるアメジストにちなみ、その石言葉(慈愛)からのキーワード"愛の漣"をテーマに作品を書き下ろしてみよう!(指定字数あり、形式不問)というコンテスト企画です。天然石のマクラメジュエリーの制作販売を行うひかりのいしむろ主催。
☆詳細はこちら
2/8〜2/16までの9日間で、54もの作品が集まりました。
作品を書いて応募いただいた参加者の皆様、企画情報をシェアやご自身のnoteでご紹介いただいたり盛り上げてくださった皆様、エントリー作品を読んで楽しんでくれた皆様、本当にありがとうございます!
そして、作品紹介と結果発表が当初の予定よりほぼ1ヶ月ほど遅れてしまっている中で、このnoteを読んでくださっている皆様、ほんとぉーーーーーにありがとうございます!!
もう、何度も言いましたが、何度言っても足りないですし、みんな思っていることだとは思うのですが、言います。
エントリー作品のそれぞれが、ものすごく素晴らしかったです。異常値!
誕生石に指定されている石はたくさんあるし、石言葉も無限にあるなかで、その中でたまたま2月でアメジストだったことは、運命的だったと感じています。
この非常に書きづらいような、逆にあふれるような、このテーマを書きこなしたみなさんの書き手としての力を見せつけられるような思いをし続けました。素晴らしすぎる読む体験をさせていただきました。
愛の漣というテーマを見て、浮かんだイメージを書きとめてくださった方、思い浮かんだ方へのお手紙を書いてくださった方、降りてきた物語を書きおろしてくださった方、たくさん悩んで書いてくださった方全員に、拍手を送らせてください。
(悩みすぎて締め切りまでに書けなかった方、もしボツにした作品などあれば、ぜひいつでも読ませてくださいね!)
その中から、この私が、単なる流浪のしがないイチnoterな私が、受賞作品を決めるって......?
いやありえないでしょ!!?!!
でも、やるっていったから!!!
なんとか、選ばせていただきました。m(_ _)m
ただ、どうしても絞りきれず、1つ副賞を追加させていただきました。合わせて発表させていだきます。
まだまだ色々と気持ちは溢れてきそうですが、まずは結果発表に参りたいと思います。よろしくお願いします!
ひかむろ賞(詩歌限定賞)
【ふたり】きみのとなりで虹を見たい(笹塚 心琴さん)
3首の短歌+エッセイ。底なしに優しい彼と、そんな彼に寄り添って生きる心琴さん。お互いに統合失調症の症状を抱えながら、なんとか折り合いをつけながら日々の生活を楽しむ、"どこにでもいそうなふたり"のお話。
(以下1首目より抜粋)
「どうしても優しくなれずごめんね」の言葉がすでにきみの優しさ
彼はしばらくうつむいていたが、時計の秒針が半周したころにふと顔をあげた。
「ごめんね」
「え、なにが?」
唐突に彼が謝ってきたので、私は驚いて目をぱちくりさせた。
「優しくなれなくて」
彼と心琴さんの、美しく、また時に生きづらさにもなりうる、それでもやっぱり愛しさあふれる個性が見え隠れする珠玉の作品でした。
一緒にたくさんの時間を過ごしながら、相手の感性や考え方を知っていく中で、笑いあえることもたくさんありながら、それでも理解しあえない部分もあっても、その人自身のことが好きで、一緒にいたいと思えること。
"きみのとなりで"虹を見たい。そう感じられること。静かに止まることなく湧き出る愛情。人生において、それに勝る喜びはないのかもしれないとしみじみと感じ入りました。
心琴さん、宝石箱のような二人の世界を覗かせていただいて、ありがとうございました。(光室あゆみ)
千羽はる賞(小説限定賞)
月の女神とアメジスト(tsumuguitoさん)
月は狂気を人に与えるという逸話を思い出す。人の愛情は時として重すぎること。けれど、それでも道は連綿と続いていく。月の女神は、きっと傷ついた彼女ににっこりと微笑みかけたのだろう。「貴女は幸せになりなさい」という魔法を、月光伝いにかけてくれたのだろう。
静かな月の声と、過ぎ去った「あの人」と、今の「幸せ」と――まさしく漣のような、物語。
* * *
ひかむろ賞の「愛の漣」という言葉に、一番ふさわしいのではないかと思う作品でした。寄せては引いてゆく漣のように、狂おしい愛が読む者に迫り、過去の情景が引いてゆき、最後に残る「今の幸せ」。その物語すべてを包む、月から降り注いだ慈愛。
一人の女性の人生における愛の情熱と静けさを巧みに描いたこの物語に、「千羽はる賞」を贈りたいと思います。(千羽はる)
千羽はるさん、エントリー作品のTwitterでのご紹介、そして小説部門の選考、ありがとうございました!(千羽はるさんの愛の漣サンプル作品(小説)はこちら)
そして、tsumuguitoさん、受賞おめでとうございます!!!
↓臨時追加した賞です
光室あゆみ賞(副賞)
未来へのお守り。(青樹ひかりさん)
私も、こんな大人に出会えていたら。心を開けていたら。と、個人的にあまりに感情移入をしてしまったお話。今読み返しても涙が出てきます。
友達に無視される日々の続く小学生、麻子が、いつもと違う道から帰ったある日、蔦だらけの不思議な家で一風変わった大人、ハルカさんと出会う。
ハルカさんは麻子を一人の人間(大人)として扱ってくれて、そして麻子に精神的ケアの要求をせず、必要に応じて手を貸してくれる、自立した大人の女性。
黙っていても、疲れない。
そばにただいるだけのことが辛くない相手もいるのだと、麻子は知った。
そんな彼女に支えられながら、麻子も新しい世界に踏みだしていきます。
キャラクター描写がとても細かく、豪快なハルカさんの話し声が聞こえてくるよう。麻子の鼓動が聞こえるよう。二人の笑い声が聞こえるよう。ぴかぴかなおにぎりが見えるよう。その雨の冷たさと、ハルカさんのあたたかさを触れたよう。1本のアニメーション作品を見終わった充実感があります。
卒業シーズンの、3月のお話でもあります。4月が始まる前にぜひ、読んでみてほしいです。青樹ひかりさん、素敵な作品をありがとうございます。
愛の漣賞(大賞)
私はバッカス、ならば月の女神は(千鶴さん)
養育者は選べないし、養育者の影響を受けない人はいない。そして、この世には適切に愛を与えられて育てた人間と、そうではなかった人間がいる。この目に見えない格差はあまりに不公平で、残酷だ。しかし、その影響をどう調理し成長するかは良くも悪くも本人の心にかかっている。
どこを見渡してもないない尽くしの中で、"ないもの"に視線を注ぎ続けるか、一筋の"あるもの"に目を向けられるか。
これは、逆境から立ち上がり凛と咲く、千鶴さんの奇跡の物語。アメジストのローマ神話をBGMに心の成長を描き切った、強さとしなやかさの印象的な作品でした。
もっとも印象的だったのは、自分自身の放つ"世界への呪い"が、自分にも降りかかってしまう矛盾に気づく部分です。
嫉妬に酔った私は、ピューマに世界を襲わせる。
でも、手綱を離したピューマが襲おうとしたのは、この私だ。
なぜなら私たちは同じ世界に住んでいて、どんな不公平な状況下に置かれても、そこから愛を見ることができない限り、結局のところ出口はない。その不条理を受け入れることができること、できるんだよと、強く優しく伝えていただいた気持ちです。
愛の漣は誰の足元にもきっとやってきている、どんな状況でもどうかそれに気づいて、前を向いて。そして自分から愛を注いで、生きていきたいなと思いました。
本作には、一行目から射抜かれました。メッセージ性、内省力、構成、際立っていました。水晶に喩えられていましたが、本当に、人の心こそ宝石のようです。千鶴さん、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
※アメジストのローマ神話についてはこの記事で簡単にご紹介しているので、該当箇所を読んでから読むとよりこの物語を味わえると思います。
受賞プレゼントについて
↑写真は今回選んだ結晶の最大サイズのもの。その他の結晶写真は企画詳細記事をご覧ください。
受賞者の皆様へはこちらから個別に順番にご連絡を差し上げますのでお待ちくださいませ。m(_ _)m
①愛の漣賞 1名(大賞:全作品対象)
アメジスト結晶 & ひかりのいしむろクーポン1000円分
(結晶は最大のもの1点あるいはプチサイズから一番最初に2点を選んでいただけます。)
②ひかむろ賞 1名(詩歌限定賞)
アメジスト結晶(プチ)1点 & ひかりのいしむろクーポン500円分
③千羽はる賞 1名(小説限定賞)
アメジスト結晶(プチ)1点 & ひかりのいしむろクーポン500円分
④光室あゆみ賞 1名(追加賞)
アメジスト結晶(プチ)1点 & ひかりのいしむろクーポン500円分
②③④の受賞者様には、プチサイズ結晶から1点を選んでいただけます。(もし同じものが指名された場合は②→③→④の順番とさせていただきます。)
終わりに
今回、「石をテーマにした文章作品って楽しそう!」というふとした思いつきで企画させていただきました。
noteの街のみなさんの"石と言葉"の作品を読みたい気持ちと、この企画を通じてひかりのいしむろという活動をもっと多くの方へ知っていただきたい気持ち、その2つで運営をしてきました。
この企画を通して多くの作品と出会い、新しく多くの方と知り合う事ができました。抽象度の高いテーマを選んでいたこともあり、みなさんの心の中の大切な気持ちをたくさん読ませていただきました。
普段天然石を販売していますが、石は単なる物質ではなく、何か目に見えないものを扱っている気持ちで、その"何か"は今回寄せていただいた作品群にとても似ています。みなさんからいただくエッセイ、小説、詩歌、どんな作品も、文字という形をとって、見えないものであふれ、きらきら輝いていました。
素晴らしい作品を読ませていただいたこと、心から感謝申し上げます。
また、今回の参加条件の一つに「ひかむろマガジンの購読」を入れさせていただいて、参加者の皆様へはひかりのいしむろについて、発信もさせていただいていました。
もし、ひかりのいしむろいいな!って思っていただけたら、引き続きお付き合いいただけたらとても嬉しいです。
ひかむろマガジンでは、新しい作品、企画のご紹介、活動の報告、そして最近改めてnoteにもジョインしてくれたパートナー(編み手)の制作コラムなども配信していく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
↑写真は新しく始めたセミオーダーシリーズよりアメジストのピアス。またひかむろマガジンでもご紹介します。
それではこれを持って、石と言葉のひかむろ賞愛の漣企画は終了となります。皆様、本当にありがとうございました!!!!
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