落語配信についてちょっと整理(個人的メモ)
その後も落語家によるネット配信は増えている。そのスタイルは様々だ。
ちょっと要素を書き出してみようかなと。
■配信内容
●編集済配信
●生配信(アーカイブあり・なし・期間限定)
●トークは生・落語は収録済(古今亭菊之丞師匠の池袋演芸場)
●ラジオ型(絵は静止画)
■配信システム
●YouTube
●Vimeo
●ZOOM
●ツイキャス
●Instagram Live
●Facebook Live
●ニコニコ生放送
●Zaiko
●SHOWROOM
●17LIVE
●Filmuy(フィルムィー)
●音声・動画ファイルの納品(クラウド・メール)
●Skypeや電話による個別の音声配信●(追加)Wix
■双方向
●チャットなど
●顧客端末の映像・音声(ZOOMによる観客参加)
●なし
■料金
●有料
●投げ銭
●無料
●無料……ECサイトグッズ販売に誘導
■決済手段
●YouTubeスーパーチャット
●配信システムとセット(ニコ生/Zaiko/ツイキャスプレミアム配信/Filmuy)
●チケット販売システム(Peatixなど)
●ECサイトで配信前にチケット販売(BASEなど)
●コンテンツ販売システム(noteなど)
●投げ銭(pring/BASEなど)
……それぞれ、クレジットカード・携帯キャリア決済、銀行振込・コンビニ決済など
■内容
●落語
●大喜利(ZOOM多い)
●対談/座談会などのフリートーク
●ラジオ的なひとり語り
●新作落語の制作コラボ(参加するお客のアイディアを活かす)
■配信機材
●スマートフォン
●パソコンWebカメラ
●Webカメラ
●民生用ビデオカメラ
●業務用ビデオカメラ
●ミキサー・スイッチャーなどの専門的な機(あんまり詳しくない)
こんな感じかな。
で、もう一つ、大切なものがあって、
■目的
●寄席・落語会休止中の収入確保
●高座カン・落語技術の維持
●リテンション(ご贔屓・ファンに忘れられないようにする)
●新規ファンの獲得
●新しい作品を作る
●次の展開のためのヒント獲得
まあ、これらの要素が複雑に絡み合っているわけです。
で、課題としては、
●笑い声や表情など、客の反応をダイレクトに確認することができない(落語は観客との双方向コミュニケーション)
●回線状況により、音が切れる・音と絵がずれる
●告知手段が限られる(だいたいTwitter)
●クォリティあげようとすると専門のスタッフが必要(生だと1配信5万~20万くらい?)。なかなか採算取れない。
●アクセス数/収入が人気・告知手段に激しく連動(春風亭一之輔10日間ライブ毎日1万人以上・そこそこの落語家の生配信は三桁以下)
●とりあえず決済が面倒(YouTubeは見ることができるがネット決済の経験がない高齢者は多い)
●配信と決済が紐付いていないケースが多々あり、決済がいろいろ面倒(いろいろあって詳しくは書かない)
●ZOOMによる観客との双方向コミュニケーションは確かに面白いが、観客端末からの音声をもらおうとすると配信を妨害するノイズが乗る
一方で、落語が有利なところもあって
●もともとファンとの距離が近い落語家が多く、配信でも客を呼びやすい
●ひとりでも、とりあえず座布団とスマホがあれば、なんかできる
●話芸なので、音声がちゃんとしてればまず楽しめる。大喜利や対談、ラジオ的ひとり語り
●同じ理由で、音声中心なので、絵を見なくても、片手間でも楽しめる
●落語家同士の横のつながりが強いので、さまざまなコラボイベントがやりやすい(全員が自宅から一つの落語会や大喜利に参加可能)
で、現状からいろいろ見る限りは、
●落語の配信(いわゆる本芸)
・ちゃんとお金かけて配信すべき
・基本有料
・多くの観客が集められるのであれば投げ銭も
・スポンサー付き無料配信(広告モデル?)
・有料コンテンツに誘導する一部無料配信(マンガ配信1巻無料みたいな)
・決済手段が悩みどころ。
Zaiko Peatix+ZOOM ツイキャスプレミアム……。
●落語以外の大喜利・トーク・ラジオ的なもの
・投げ銭・物販ECサイトへの誘導など
・実験・宣伝などの目的であれば収入ゼロでもいい、のかな。
●そして
・落語はあくまでライブの芸能なので、将来的(この状況が収束した後)にライブの客が増えるようなプランが一番相応しい
こんな感じですかね。
いろんな課題があるけど、やっぱり決済のハードルが高い。すでに決済慣れしている人をターゲットにすべきなのかもしれない。
最終的には複数の落語家を束ねてサブスクリプションモデルができればいいんだけど、そこまでのお客さんを集められるか……。
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