短文「投影」
画面の向こう、平面の上、そんな現象だった。
自らに降りかかることを想定していなかったわけではない。しかし、どこか他人事であったのも事実だ。
好意を口にしたことが無いわけではない。それなりに想い人は当時の各環境ごとに居たやも。なれど重量は無く、ふわふわとしていた。
雷が落ちた。一目見た、ただそれだけの理由でなんて、私は未だかつて理解したことは無かった。それを是とする風潮も。
感性を衝撃が超えた。理性を本能が塗り潰した。
視線の手綱を握っているのは自分では無かった。脳のシナプスまでもが誘導の対象へと化していた。
魅力は無慈悲だ。それでいて万能薬でもある。一度言葉を交えれば、アインシュタインも目を剥く時間の差異を生じさせた。あの日を生きた自分にとって、何より有意義な発見であった。
初めてを二度味わうことは、出来ない。
ありがとうございます。 作家になるための糧にさせていただきます。必ず大成してみせます。後悔はさせません。