詩「不可逆」
僕は問う。
変えられない認識に、偏見に、運命に。
黒人、白人、黄色人種。
人は肌の色が異なれば、その呼び方を区別するらしい。
僕は、幼少から重度のアトピー性皮膚炎を患い、全身が荒れ、常に赤みを帯びていた。
例に則るなら赤人、とでも言うのだろうか。
嘲笑の記憶が甦る。
人は集団を形成した時、少数派を非難し侮蔑する。
外見という第一の情報は、その後の人生を大いに左右する。
ルッキズムの説得力には舌を巻くばかりだ。レイシズムの前段階とも言える。
入口で全てが決まるようだ。
入口が綺麗な建物はその印象を良きものにし、汚ければ悪いものにする。
掃除すれば良いというものでもない。
肌の色は、落ちない。
平凡な料理でも、高価な皿に乗せれば何倍にも味の評価は高くなる。
つまり、土壌が中身の価値を決め得る。
しかし、料理に皿は選べない。
果てのない宇宙に住むが我々であり、枠を作り給うが神である。
偶発的な悲劇は、
感情の行き場を教えてはくれない。
怒りの矛先を示してはくれない。
畢竟、無理矢理選ばれる答えは、自分だ。
いつだってそうだ。
距離は縮まらない。
僕がどれだけ手を振ったところで、空を仰いでいるように見えるだけなのだろう。
こうしてまた、僕は世界にかぶりを振るのだ。
ありがとうございます。 作家になるための糧にさせていただきます。必ず大成してみせます。後悔はさせません。