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茄子の天麩羅
ふと、うどんが食べたくなったので丸亀製麺に行った。夏なので茄子の天麩羅が食べたいと思い、とろたまうどんの並を注文して待っていると、前に並んでいた老婆が徐に天ぷらを二つに並べたお皿に取っていく。1つ、また1つと。老婆のお盆には天麩羅の山が積み上がっており、私が食べようと思っていた茄子はおろか、全ての天麩羅が無くなっていた。普段は不満を口に出すことはしない私だが、その時ばかりは「何も残っていないじゃんか」と老婆にも聞こえる声で発してしまった。老婆は3000円弱の会計を終えると、テイクアウト用の箱にゆっくりと天麩羅を詰めていた。1つ、また1つと。天かすすら残っていない状況に、「とりあえず茄子からやって、急ぎで」と、補充の指示を素早く出していた。私と茄子の天麩羅にはまだ距離がある。