♯15 もし地方出店している海外ハイブランドが、1日「無料」で好きな商品を貸し出してくれたら
「もっと地域に貢献できて、地元の人を巻き込める仕事のネタを探している」というあなたへ。
僕・しかシカが、元編集者の分析力を生かして、田舎のあらゆる『惜しいところ』を勝手に添削する企画をお届けします。
今回は、僕自身がずっと違和感を感じていた、「地方出店している海外ハイブランド」を添削。
本記事でお伝えするのは、主にこの2点です。
・ブランドやものの価値より、地方は「信用」
・圧倒的価値によって「信用」を作る(それが今回の話題「無料」)
もちろん地方で暮らしているあなたには「そんなこと当たり前」と思うかもしれない。けど、いつの間にか『都会的な経済感覚』に常識を塗り替えられていませんか?
さっそく、詳しく書いていきますね。
※なお、本記事はしかシカの個人的見解です。
|地方はブランドの価値より、「信用」ありきだ
僕が暮らしている香川県は高松市の繁華街に、海外のハイブランドがいくつか出店している一角があります。
たぶん、僕が一度地元を出た13〜14年前には、まだなかったと思う。
たまに地元に帰ってきてはこれらを目にして、感じていました。
「これ、人来るかなあ?」って。
ハイブランド=高単価だから、都会と比べてどうしても収入格差がある地方で、商売が成り立つのか? っていう疑問も、当然あります。
(ブランド側はブランド側で、四国の玄関口である香川県に地盤を築きたいという思惑があるんでしょう)
でまあ、実際の売上は知る由もないところですが、間違いなくいえるのは、
『全世界を代表するブランド』という価値をそのまま打ち出すだけでは、日本の地方では通用しないだろう
ということ。
というのも、「機能性」「先進性」「ブランド」といった都会的な価値以上に、地方で重視されるのは「信用」だから。
要は寄り合い意識であり『誰から買うか』っていうところですね。
信用が築かれていれば、一族で・何十年もひいきにするなんてこと、ザラにあります。
「あの人は、あのお店は、ほんまによおしてくれる」
お店、街の工務店、電気屋さん、ありとあらゆるビジネスに対してまず『信用経済』があるから、ちょっとやそっとではグラつかない関係性が築かれているんですね。
|信用を作るための「無料」=圧倒的価値
ちなみに、海外ブランドショップの店員さんから受けるあのなんとも言えないプレッシャー、地方の人は苦手だと思う。
「買ってもらうために」お客様のどんな不安を取り除くか、というところがサービスの出発点になっているから。
じゃあ、こういう『都会的価値』の商品・サービスが地方から信用を得るには…考えられないほどギャップのある価値をお客様に感じさせるのが、手っ取り早いかな、と。
というわけで、タイトルにも書いた「1日無料で好きな商品を貸し出す」体験の提案です。財布でもバッグでも時計でも。
たとえば、それを身につけて街を歩いている写真をInstagramに投稿してくれたら、さらに粗品をプレゼント、くらいしてもいいかもしれない。
その姿に憧れを感じて、ショップに興味を持つ人が増えるから。
海外の有名ハイブランドが、なんと無料で商品を貸し出している。そこまでギャップのある企画が拡散されれば、強烈な興味喚起が湧き起こります。
(もちろん、現実には難しいのかもしれないけど)
「買ってもらうためのサービス」じゃなくて、まず体験でもなんでも「与えてしまう」ということです。地方は保守的な人が多いから、「まず使って良さを感じてもらう」という意図もありますね。
とにかく、先に与えるから信用が生まれます。そのための圧倒的価値!
もともとブランド商品は一生使えるほど「もの」はいいんですから、地道に信用を築く行動をし続けていれば、何ヶ月か貯金してでも、買ってくれるかもしれませんよね。
お客様がお金を貯金している間に、商品を提供する側は「信用」を貯金する。そんなイメージです。
|まとめ
と、いうわけで、海外ハイブランドが地方でウケるであろうアイデアをお伝えしてきました。
・ブランドやものの価値より、地方は「信用」
・圧倒的価値によって「信用」を作る(「無料」というギャップ)
冒頭の話に戻りますが、知らず知らずのうちに、『都会的な経済感覚』に常識を塗り替えられていませんか?
都会でウケたんだから、名のある商品・サービスなんだから、地方で受け入れられないわけがない。
・・・わけが、、あるんですよね。
今回の妄想事例(?)のように、それらも「もの」は悪くないはずです。大事なのは、それをどう届けるか? まず「信用」を築くためにできることは何か?
足元にあるものを見つめ直してみれば、今まで埋もれていたビジネスチャンスが日の目を見るかもしれませんよ。
「惜しいところを勝手に添削!」関連記事はこちら>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?