「&」は「アンパーサンド」っていうんです。
火曜日なのでデザインの話です。
欧文のルール
日本人は知らない欧文(主に英語)のルールというものがあります。これは英語の授業でも教えてくれません。それゆえか翻訳者からの原稿にも、このルールに則っていないものがすごく多くあります。
知っておくと何かとアドバンテージになるので少しずつご紹介していきます。ご紹介した欧文のルールはこちらのマガジンにストックしていきます。
使うけど、読み方とか出自とか知らない「&」
「&」は、「アンパーサンド」と言います。ampersandと書きます。もともとは、「それ自体でandの意味」という「and per se and」が詰まってできた単語です。起源はかなり古くて1世紀ごろから使われています。
「and per se and」がどうして「&」になるのかというとandと同じ意味のラテン語が「et」なんですが、これがこの形のもとです。
E + T = &
下のこれは、AW Conqueror Carvedと言う書体の「&」なんですが、EとTからできているのがよく分かると思います。
AW Conqueror Carvedの購入はMyfontsで可能です。
アンパーサンドの進化の過程は、こうです。
Evolution of the ampersand. Figures 1 through 6
x By Alatius - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5132957
こんな使い方もあって驚き
こちらのかたのツイートでセメダインの昔のパッケージ写真をみかけました。
出典:@セメダインのツイート投稿より
この「&c.」という表記、シェアされていたきじもとしんやさんがおっしゃているとおり「etc.」を意味しています。&が「et」を意味しているからです。
ちなみにetcは、「Et cetera」(エトセトラ)。これを略するので、略された文字は最後についている「.」のなかに含まれています。欧文では省略したものを「.」のなかに凝縮します。Et ceteraの意味は「and other similar things」で「それと似た他のものもの。つまり、その他」。
なぜこんな文字が生まれたのか
ただETとかけばいいものをわざわざ「&」な文字をこしらえたのは、
ただ装飾を楽しむため
だったという説が有力です(下記の小林章(著)『欧文書体』を参照)。それもあってか書体それぞれの&を見比べるも大変おもしいろいです。(ポスターでも作ってみようかな。)
文章組で使ってはダメ
現在は、アンパーサンドを文章組では使用しません。社名などの場合は例外。文章組としては使いません。
こんな使い方もできます
書体デザイナーの小林章さんは、ローマン体を見出しやロゴで使用するときにイタリックのアンパーサンドを使用することをオススメしています。使い方としては間違いでもなく、ちょっとしたアクセントになります。
これはCochinという書体です。
Cochinの購入はMyfontsで可能です。
アンパーサンドについて知りたいときに便利な本
毎度おなじみの小林章さんのこの著書
英語だけれど欧文を扱うグラフィックデザイナーは手元においておきたいタイポグラフィの参考書
欧文をちゃんと理解したうえでデザインしているグラフィックデザイナーは意外にすくないんですよ。
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