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カタールW杯の開幕の舞台 “ルサイル スタジアム”のデザイン

ビジネスに使えるデザインの話

ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています


カタールで行われるFIFAワールドカップ2022

今年開催されるFIFAワールドカップは、カタールで行われ、使用されるスタジアムは8つ。そのうち7つが新しく建設されました。そのなかのひとつ、ルサイル・スタジアムは、2022年のFIFAワールドカップの開幕戦と決勝戦の両方が開催される予定のスタジアムです。このスタジアムを設計したのは、イギリスのフォスター+パートナーズという設計事務所です。今回はこのフォスター+パートナーズという設計事務所と彼らが設計したルサいる・スタジアムを紹介します。

FIFA for 2022 FIFA ワールドカップのロゴ
By https://digitalhub.fifa.com/m/5f8cc3e08edf6d2/original/bl0bgeroqdmxjme4sy7h-pdf.pdf, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=64410059


FIFAのオフィシャルサイト


フォスター+パートナーズ

フォスター+パートナーズ ロンドンオフィス
By Ronaldccwong at English Wikipedia - Transferred from en.wikipedia to Commons by Million_Moments., Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3436176

フォスター+パートナーズ(Foster + Partners)は、1967年にノーマン・フォスター(Norman Foster)氏によって設立された英国の建築・エンジニアリング・総合デザイン事務所です。世界各地に13のスタジオを持ち、1,500人以上の従業員を抱えるイギリス最大の建築事務所です。フォスター氏は、英国モダニズム建築の重要な人物として認識されています。

創業者のノーマン・フォスター氏
By Andy Miah - https://www.flickr.com/photos/andymiah/2802800200, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48833359

フォスター+パートナーズのオフィシャルウェブサイト

アップルパークもフォスター+パートナーズのデザイン

アップルパーク(2022年撮影)
By InvadingInvader - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=123556387

アメリカ合衆国カリフォルニア州クパチーノにあるアップルの本社、いわゆる「Apple Park」もノーマン・フォスター氏による設計(デザイン)です。アップルパークは、総面積1.46km2の敷地にあり、約0.26km2の4階建てで円形の建造物。ここで12000人を超える従業員が働いています。スティーブ・ジョブズは、アップルパークをビジネスパークではなく、自然保護区のようにしたいと考えていました。そのため敷地の80%は、乾燥に強い木やクパチーノ地域固有の植物が植えられた緑地で、本館中央の中庭には人工池が設けられています。

ルサイル スタジアム

ルサイル スタジアム(2022)
Image source: Foster and Partners website

カタール最大のスタジアムであり、FIFAワールドカップ カタール2022の開幕戦と決勝戦が行われる予定のスタジアム、ルサイル スタジアム(Lusail Stadium)。このスタジアムですでにFIFAワールドカップ・カタールの前哨戦といえるルサイル・スーパーカップ決勝戦が9月6日に開催されています。
このスタジアムは選手と観客の双方が没入できるような雰囲気を作り出すことを目的として設計されています。設計は、Foster + Partnersの合弁事業であるArupと、スポーツスペシャリストのPopulousが共同で行いました。

ルサイル・スタジアムの収容人数は8.6万人。隈研吾氏が設計した新国立競技場(6.8万人)より一回り大きな規模です。50万人ほど暮らすことになると想定されている新都市、ルサイルシティにおいて中心的な存在となるように構想されて建設されました。同じくフォスター+パートナーズによって設計されたルサイル・タワーとともに都市構想の一部として考案されたものです。

ルサイル・タワーズ(2022)
Image source: Foster + Partners website

スタジアムの外側は、太陽の光を受けて輝く黄金色の器として表現されています。ファサードには三角形の開口部があり、客席の構造を補強するとともに、内部コンコースに日陰を作り、まぶしい光を遮るよう、穴あきのスクリーンとして機能しています。屋根のデザインは、スタジアムのエネルギー消費を節約する設計となっています。

Image source: Arch daily.com

選手と観客の両方にとって没入感のある雰囲気を作り出すことを目指し、ピッチ(グラウンド)と客席との関係がデザインされています。

Image source: Arch daily.com

屋根は、直径307mのスポークホイール型ケーブルネットルーフ。その規模はケーブルネットルーフでは世界最大級。外側の圧縮リングは、中央の張力リングと複雑なケーブルシステムで接続されており、これにより、支柱を必要としない大開口の屋根を実現しています。

間近で見ると圧巻であるスケールであることがこちらの動画から伺いしれます。


まとめ

建築における技術革新のスピードもまたはやく新素材や新しい建設方法などが日々建設に活かされています。その面目躍如とも言えるのが大規模な建造物。宗教的な畏怖を喚起させるほどの大きな建造物は、新しい街の中心になるにふさわしいものと言えましょう。そう考えると、東京の新国立競技場は、「大きすぎる」と揶揄されたザハ・ハディド氏の設計のままだった場合、東京のランドスケープはどのようなものになっていたのだろうか、と一瞬思いを馳せてしまいます。

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参照



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