映画『TENET』に出てくる銃のメーカーのロゴ×5
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
映画『TENET』に出てくる銃のメーカーのロゴ×5
映画に出てくる銃やライフル、マシンガンなどは、わたしたち日本人には馴染みのない業界ながら、ビジネスとしては、実は年々売上高は上昇しており、2021年の武器および軍事サービスの売上高は、
日頃、エンターテイメントとして観ている映画に「登場」している武器は、どんなメーカーのものなのか、そしてそのロゴはどんななものなのか、一度まとめてみたいと思いました。
そこで「完璧主義」と謳われるクリストファー・ノーラン監督の作品なら必然性の高いコーディネートをしているはずと考え、映画『TENET』に出てくる銃とライフルをとりあげてみたいと思います。
とは言え、すべてとなると膨大になるので、その数を5にまで抑えて、ご紹介していきます。
Glock(グロック)
Glock 19, Glock 17, Glock 26
「主人公」がよく手にしていたハンドガン、Glock 19。Glock 19は、Glock 17を小型化したモデルです。Glock(グロック社)(Glock Ges.m.b.H.) は、オーストリアの武器製造会社。ガストン・グロック氏がオーストリアのウィーン近郊にあるヴァグラムにて1982年に創設しました。
ポリマーフレーム拳銃の製造で有名ですが、もともとは機関銃用ベルトリンクやナイフ、シャベルなど軍納入品を生産していた企業です。
創業者である技師長のガストン・グロック氏は、最初のピストルであるグロック 17 を試作していた当時は、銃器の設計や製造の経験がありませんでした。グロックは、先進的な合成ポリマーに関する豊富な経験を持っており、それが同社が初めて商業的に成功したポリマーフレームのピストルラインの設計に役立ちました。
「P80」がオーストリア軍に採用され、その斬新なデザインからアメリカ市場でも爆発的なセールスを記録しました。現在では、グロック社の拳銃は世界中の軍隊・警察、および民間人によって幅広い支持を受けています。
映画『TENET』では、主人公はGlock 19を、他のキャラクターがGlock 17を使う場面が出てきます。そしてヒロインのKatが主人公から手渡されるのは、Glock 26です。
Beretta(ベレッタ)
Beretta 92FS
ベレッタ・モデル92(イタリア語: Beretta modello 92)は、イタリアのベレッタ社が設計したセミオートマチックピストル。
ベレッタ92は、1975年に設計され、1976年に生産が開始されました。数種類の口径のバリエーションが現在に至るまで使用され続けています。
アメリカ軍は1985年に.45ACPのM1911A1ピストルをベレッタ92FSに置き換え、M9として指定し、制式採用しています。たアメリカ軍を筆頭に、世界中の法執行機関や軍隊で幅広く使われています。
ベレッタ社
ファブリカ・ダルミ・ピエトロ・ベレッタ(伊: Fabbrica d'Armi Pietro Beretta、ピエトロ ベレッタ火器工業)は、イタリアの大手銃器メーカー。本社はイタリア北部ロンバルディア州ブレシア郊外のガルドーネ・ヴァル・トロンピアにあります。設立は1526年。家業歴200年以上の企業のみ加盟を許される老舗企業の国際組織、エノキアン協会の加盟企業でもあります。
現在は拳銃、ライフル銃、短機関銃、散弾銃などの幅広い銃器類を生産しています。
SIG Sauer(シグ・ザウエル)
SIG SAUER P226
SIG SAUER P226は、ザウエル&ゾーン社がP220の後継として開発した自動拳銃。P220との違いは、ダブルカラムマガジン化。このため、装弾数が9x19 mmパラベラム弾仕様で9発から15発に増えています。
長時間水や泥の中に浸けた後でも確実に作動するほど耐久性は高く、アメリカのガンショップではP220より高価。軍のトライアルでは、価格の高さやマニュアルセーフティーを備えないことなどからベレッタ 92に負け、採用されませんでした。
海上自衛隊「特別警備隊」がP226Rを2007年6月28日の公開訓練で使用するなど、イギリス陸軍、SAS、アメリカ海軍SEALsなどやニューヨーク市警察、日本警察の特殊急襲部隊など、予算的に余裕のある特殊部隊・機関では多く採用されています。
SIG-Sauer P230
シグ・ザウエル
ザウエル&ゾーン(独: Sauer & Sohn)が、1751年にドイツのズールで銃器メーカーとして創設されます。当時の社名は、J・P・ザウアー・ゾーンでした。
ドイツが第二次世界大戦に敗れ、ズールが東ドイツに組み込まれると、ザウアー一家は西ドイツのデュッセルドルフに逃れ、ここでザウアー・ゾーン社を再開、アメリカへ輸出するためのリボルバーの生産を始めました。
1970年に、スイスのSIG社の小火器部門に合併され、SIG社製自動拳銃の生産を引き受けました。
1980年、スイスのSIGが、ザウアー・ゾーン社の筆頭株主となったため、以後同社は、SIG Sauer(シグ・ザウエル)拳銃シリーズの大半の開発・設計、および製造を担当。2000年には、ドイツ人投資家が株式とSIGの商標を取得したため、SIGは「スイス・アームズ」と社名を変更、ザウアー・ゾーン社はSIGの傘下から外れ、社名を創設時のJ・P・ザウアー・ゾーンに変更しました。しかし、このドイツ人投資家が「シグ・ザウエル」の商標も所有したことにより、同社は以後も「シグ・ザウエル」ブランドの拳銃と「ザウエル」ブランドによるライフルの製造を続けています。
Heckler & Koch(ヘッケラー&コッホ)
Heckler & Koch HK416D
Heckler & Koch HK416は、5.56×45mm NATOカートリッジに対応したガス作動式アサルトライフル。ドイツのヘッケラー&コッホ社によって設計・製造されています。
Heckler & Koch(ヘッケラー&コッホ)社
ヘッケラー&コッホ社(Heckler & Koch GmbH)は、ドイツの防衛製造会社で、ハンドガン、ライフル、サブマシンガン、擲弾筒を製造しています。
会社のモットーは "Keine Kompromisse!"(妥協しない!)。同社は、SAS、KMar、アメリカ海軍SEALs、Delta Force、HRT、カナダのJoint Task Force 2、ドイツのKSKとGSG 9、その他多くの対テロや人質救出チームを含む多くの軍や準軍事部隊に銃器を提供しています。
HKは、武器の設計にポリマーを使用したり、ハンドガンにフラッシュライト用の一体型レールを使用するなど、銃器における革新の歴史があります。
Colt Firearms(コルト・ファイヤーアームズ)
M4A1 Carbine
M4M4カービン(正式にはCarbine, Caliber 5.56 mm, M4)は、1980年代にアメリカ合衆国で開発された5.56×45mm NATO、ガス作動式、マガジン給弾式のカービン。M16A2アサルトライフルの短縮型です。
M4はアメリカ軍で広範囲に使用されており、アメリカ陸軍(2010年から)およびアメリカ海兵隊(USMC)(2016年から)の戦闘部隊でM16ライフルに代わって歩兵の主要武器となっています。M4は世界60カ国以上で採用されており、「21世紀を代表する銃器の一つ」と評されています。
コルト・マニュファクチャリング・カンパニー
Colt's Manufacturing Company, LLC(CMC、旧コルト特許銃器製造会社)は、1855年にサミュエル・コルト(Samuel Colt)によって設立されたアメリカの銃器メーカーで、現在はチェコの持ち株会社コルトCZグループの子会社。
まとめ
日本では銃を買うという選択肢を思いつくことがありませんが、合法の国では日常的な行為で、実際、ウェブサイトでも購入オプションが用意されています。
そこからわたしたちの日常と他国の日常が大きく違うことが実感できます。映画ではさまざまな武器を目にしますが、そのほとんどをわたしたちは「武器」とひとからげにして観ています。マニアを除いて。
それを今回、ひとつひとつの武器にズームインしてみました。多くの銃器メーカーが100年以上の歴史を持っていることにも驚きました。そして日本で使われているものも多くあることにも驚きます。
今回紹介したなかには、ナスダックにも上場しているアメリカ合衆国の武器メーカーのSmith & Wesson(スミス&ウェッソン)が含まれていませんでした。スミス&ウェッソンも1852年創業と古い歴史を持つ企業です。
スミス&ウェッソンのピストルには、 M&Pシリーズなどがあります。
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