「インターポール」のロゴと書体“Optima”
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
https://note.com/shijimiota/m/m8426e93a58b5
インターポール
インターポールとは、国際刑事警察機構。
英: International Criminal Police Organization(略称:ICPO)
仏: Organisation internationale de police criminelle(略称:OIPC))
国際犯罪の防止を目的として世界各国の警察機関により組織された国際組織。日本では「ICPO(アイシーピーオー)」の略称で呼ばれることが多い。海外ではインターポール(INTERPOL)の名称で呼ばれることが多い。
2017年時点の加盟する国・地域は195カ国。
概要
インターポールの主な活動は、国外逃亡被疑者や行方不明者、盗難美術品などの発見、身元不明死体の身元確認などの「国際手配制度」や、国際犯罪および国際犯罪者に関する情報のデータベース化とフィードバックなど。運営は、2つの非常設機関(総会および執行委員会)と、2つの常設機関(事務総局および加盟各国に設置された国家中央事務局、通称NCB)により行われます。NCBは自国の警察と事務総局や加盟各国の警察とをつなぐ窓口機関にあたるもので、日本では警察庁が指定されています。
映画・テレビドラマ・漫画などのフィクションでは、全世界を対象に捜査する「国際警察」のような描かれ方をしていますが、実体はそれ程の大規模な組織ではなく、各国法執行機関の連絡機関・協議体としての性格が強い。
司法警察権は各国の主権事項に属するため、たとえば『ルパン三世』の銭形警部のように、世界中で捜査活動ができる権限を持つ「国際捜査官」は存在してない。
捜査をする場合は、その国に要請して許可を得るか、その国の警察機関との合同捜査依頼をしてその国の政府の了承を得る事が原則となっています。
最終的に犯罪者の身柄拘束を行なうのは、国家主権上の問題から、その国家の警察となります。
年に1,000件を越える捜査依頼があり、2008年時点では約6,000人の手配者を追跡していました。
インターポールのロゴとエンブレム
1950年から使用されているインターポールのエンブレムは以下の要素で形成されています。
地球儀:活動が世界的なものであることを表しています
平和を象徴するオリーブの枝
正義の象徴である「天秤」
警察活動を象徴する縦長の剣
INTERPOL(インターポール)」という名称
英語の略号「ICPO」およびフランス語の略称「OIPC」
ロゴの書体
“INTERPOL”のロゴ(文字部分)のベースになっている書体は、Optima(オプティマ)という書体です。この書体がリリースされたのは1958年なので、インターポールの文字部分はそれ以降、この書体をベースにしたものになったと推測しています。
Optima
この書体に見覚えがあるかたも多いかもしれません。Optimaはその美しさと使いやすさから、50年以上ものあいだ、さまざまな場面で使われてきているからです。例えば「イソップ」という化粧品ブランドのロゴにもOptimaは使われています。
この他にもエスティーローダーのロゴに使われています。Optimaについてはこちらの記事でも詳しく解説しました。
銭形警部の手帳
銭形警部がときどき見せる手帳にはインターポールの剣と地球のマークがちゃんと示されています。(画像をみせられなくて残念。探してみてください。地球儀や剣、オリーブの葉がちゃんと描かれています。)
映画『レッド・ノーティス』にも出てくるインターポールのロゴ
2021年に制作された映画『レッド・ノーティス(Red Notice)』。この映画のタイトルはインターポールにおける国際手配の種別からきています。青手配だと所在確認を求めるものであり、赤手配(Red notice)だと身柄拘束を求めるもの。
かのガーシーもこの赤手配で国際手配されていました。
ちなみにこの手配の種別、全部で8種類あります。
ちなみに映画『レッド・ノーティス』でもインターポール
インターポールで使っている書体
インターポールルのウェブサイトで使用している書体は、見出しにはグーグルフォントのOpen Sans condensed。本文にはArial(アリアル/エイリアル)。
まとめ
フィクションではインターポールは銃を携行したり、発砲したりしていますが、実際のインターポールは銃を携行していません。前述の通り、インターポールは犯罪者を特定し、逮捕するための支援は行いますが、実際に身柄拘束などをするのは現地の国の警察機関です。よって、インターポールは銃を携行していません。(※3)
それでも映画『レッド・ノーティス』ではロゴ(文字)を、ルパン三世ではエンブレムを実際のそれと同じか似せて表現しています。
それにしてもOptimaはとても美しい書体ですが、インターポールという機構の「捜査には協力するが、逮捕などはしない」という性質をなんとなく上品にあらわしているような気もします。
ところで“Interpol Sans”という書体がありますが、こちらは実際のインターポールとは関係がなさそうです。
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参照
※1
※2
https://en.wikipedia.org/wiki/Optima
※3