自分史的なクリッピング史料
いよいよ大晦日。毎年、来年こそは良き年になりますようにというものの、へっこみ、ひっこみもあって、総じて自分の生を清算するとプラマイゼロなのだろう。今日は日本人指揮者の活動について。
2011年12月29日 日経 文化往来
大野和士、ベルギーのメッセージを中学生に
苦難を乗り越える人間の絆をたたえ歌うのがベートーベンの「第九」。
この年は東日本大震災があった年でもあるので、多くの人が少なからずいつもとは違う思いがあった筈だ。
2011年12月24日、東京文化会館で開かれた、大野和士指揮、東京都交響楽団の演奏会に被災地の福島県下で吹奏楽に取り組む中学生40人余が招待されたとある。
大野さんは、楽屋の一室で、ベルギーの少年少女が記したカードを手渡したらしい。フランス・リヨンの歌劇場で首席指揮者をつとめていた(当時)らしいが、普段の住居はブリュッセルとのこと。その地元モネ劇場の青少年プログラム担当を通じてそのメッセージは集められたと。
もともと医療施設に音楽を出前する「こころふれあいコンサート」を続ける大野さんは、2011年9月に宮城県・石巻などを訪ねた。会場に来場した人が一心に演奏に耳を傾けていてくれたことにむしろ感謝や自分が感銘を受けたと。音楽が人の心のなにかを捉えることは多いだろう。昨今の昭和歌謡ブームや、シティ・ポップと言われた昭和時代の音楽への回顧なども、廃れぬ音楽が存在するという証。
大野さんは、在ベルギーの日本人アーティストたちが震災後につくったNPO・ACT FOR JAPANにもかかわり、文化芸術や教育分野への支援に力を注いでもいるらしい。勿論、他にも色々なアーティストが分野を問わずそうした活動に力を入れているのは周知の事実。そうした活動を過度に美化することなく、本来的に生まれてきて、そして自然に協力者が増えていったという事実を頭に刻みた。自身はどうなんだ? と問われれば何も言うことができないのだけど・・・・。
結びでは、当日サンタ姿で登場した大野さんが、ベルギーからのメッセージを読み上げて、音楽の素晴らしさが悲しさを凌駕してくれるという思いを伝えている。
色々な癒しを自分の周りに見つけることは誰でもできる。正直未だ3年前に亡くなった愛犬との生活がいかに癒しだったか、ペットロスってあるんだなぁという感情が今でも続く。
自分はクラシックも聴くし、ポップも演歌も何でもござれなので、その全てが癒しとなっている。それでも人にお勧めしたいなぁと思うのは、
・マルタ・アルゲリッチ(ピアニスト)のショパンのCD
・増尾好秋(ギターリスト)のCD(Good Morning)
・(そして最後に)ジョージ・ウィンストンのCD
といったふうだろうか。
これらは誰の心にも響くような音楽ではないのかなぁ、そして決して押し付けにはならないような選択であるという気がする。あくまでも私見だけど。