和婚、三三九度で天国のじいが現れた
#結婚式の思い出
というハッシュタグを見て、私の結婚式はとても温かくて、人に恵まれたことを感じられた時間を過ごせた。
式まで5ヶ月、急ピッチではあったが、挙げてよかったと思っている。
私も夫も和婚がいいよね!ですんなり決まり、県内では有名な神社で神前式を挙げることができた私たち。(こだわり)
三三九度のときに、私にとって忘れられない思い出があるので、それを語ろうと思う。
三三九度
三三九度は、神様からのお酒を3回に分けて夫婦で飲み交わすというもの。
たしか、2回目くらいだっただろうか。
巫女さんが私の器にお酒を注ぐ。
あー注がれてる〜。
思ったより多い〜どんくらい飲もうかなぁ〜。
なんて思っていると、お酒を注いでいる先に、一瞬すっと何かが光った。
私は自分の器から、注ぎ口に目を移す。
なんか、いる。
ハエが、いる。
こやつ、先っぽのお酒、一緒に舐めておる。
一瞬で私の頭は冷静になった。
ハエとともにいただく神様のお酒。
なんとも言えない気分ではあったが、三三九度を交わしていく。
ハエついてた。
ねえ、ハエついてたよ
って右隣の夫に心で伝える。
心は通じ合わなかったようなので、後でネタとして話そうと、気持ちを落ち着かせる。
最後に、参列者とともに、全員でお酒を飲み、大切な人との縁を結んだ。
神主さんの話を聞きながら
その後も何事もなく、式は進む。
神主さんは、夫婦とは何か、人生とは、などのありがたいお話をゆっくりと優しく話す。
話をききながら、ふと思う。
「あれは、じいちゃんだ。
三三九度のときに来てくれたハエは、じいちゃんだったんだ。
じいちゃんは、私が小学校低学年のときに2人とも亡くなった。そして、ばあちゃんも足腰の悪さから、この結婚式には不参加だった。
じいちゃんが代表して、私の結婚式見に来てくれたんだ。だから、一緒にお酒を飲んだんだ。」
私の心はオレンジ色が広がるように温かくなってきた。
ハエがいたってことは、ある意味マイナスな出来事に思えるかもしれない。
それでも、私にとってはそんな確率の低いことが、あの場所であの時に起こったことが信じられない。
だから、じいちゃんだったんだって思ってる。
結婚式に、来てくれてありがとうね。
これが、私の結婚式の思い出。