再放送 ひとりそたぶ42 神様
焼肉
ではご覧下さい。
シーサイドサンセット
漫才/神
レナ:こないだ駅前を歩いてたら、訳の分からない冊子の周りに貼り付いた笑顔のオバチャンの集団がいたの。
トキ:あー、十中八九インチキ臭いカルト宗教の案内だね。絡まれたら面倒だから絶対に関わっちゃ駄目だよ?
レナ:それがね、無視して通り過ぎようとしたんだけど気になったから立ち止まっちゃったの。
トキ:アタシの注意、過去のレナに届かずだった。何で立ち止まっちゃうかなあ。
レナ:だってさ、その後ろで美味しそうなお肉をオバチャンがジュージューと焼いてて、良い匂いががしたんだもん。
トキ:ほへ!?お肉!?何でその人たちは駅前でバーベキューやってんの!?
レナ:どうやらそのオバチャン、「エバラの証明」って集団だったらしいの。
トキ:アタシの知ってるカルトの集団と違う!元に寄せてる辺り何とも言えない!
レナ:で、私に焼いてたお肉をご馳走してくれたの。
トキ:何食べっちゃってんのさ!?知らない人から貰っちゃ駄目って習わなかった!?
レナ:で、食べてる最中にオバチャンが聞いてきたの。
「アナタ、このエバラのタレに黄金を感じますか……?」って。
トキ:至極どうでも良い!!多分エバラの社員さんも感じてないと思うんだよね!!
レナ:だから「多分金粉を入れれば黄金に近付くんじゃないですかね。金って化学変化起こさないし、そもそも味が全然しないって言いますし」って答えたよ。
トキ:至極どうでも良い質問に何ちゃんと答えてるの!?金粉入った焼肉のタレなんか普通に嫌だよ!!すっごい邪魔だもん!!
レナ:そしたらオバチャンがおもむろにありったけの黄金のタレを私に掛けてきたの。
トキ:何で!?
レナ:「あなたも黄金の味が感じられないんですね。ならばあなたの全身で感じて戴くまで……
これであなたも黄金の味を感じられ、唯一神が現れ、そして浄化されていくのです……」って言われたの。
トキ:浄化どころかただただレナが汚されただけじゃん!!唯一神も黄金もちっとも感じられないよ!!
レナ:そしたら私、何だか黄金郷、即ちエルドラドが一瞬だけ見えた気がしたの。
トキ:絶対に気のせいだと思うよ!?黄金のタレでそんな幻覚見えたら回収待ったなしだよ!!
レナ:で、唯一神が二人降臨してタレでずぶ濡れの私にこう言ったの。
トキ:見えてヤバい位置に行っちゃったどうこうもだけど、何で唯一神が二人も居るのさ!?
レナ:「神の使いである牛を食うとは不届きものだな」
「穢れた動物である豚を食うとはなんと罰当たりな……!!」って言われちゃった。
トキ:いやヒンドゥー教とイスラム教の神様出ちゃったー!!もうお仕舞いっ!!