再放送 ひとりそたぶ34 粘土

粘土コネコネくんです

ではご覧下さい。

一夜の幻影
漫才/安いダンスホールはたくさんの人だかり 陽気な色と音楽と煙草の煙にまかれてた

向井:最近陶芸始めたんだけど、あれってろくろ回しながら粘土こねてるだけだから如何せん地味だよな。

真中:否定は出来ませんけれども。じゃあそもそも何で君は始めたんだって話になっちゃいますね。

向井:派手なのは出来上がった作品を思いっ切り地面に叩き付けるだけだし。

真中:初心者がやっても様にならないんですよアレって。始めたばかりなんだから使っちゃいなさいよ。

向井:だから俺は考えました。陶芸界のアイドルを作ろうと!!その名も関口ネンドゥーだ!!

真中:堂々とどこぞの三代目からパクってきましたね。どちらかと言えばダンサーだと思うんですが。

   しかしよくもまあそんなしょうもねえ芸名が思い付いたもんですこと。

向井:ネンドゥーは陶芸界に旋風を巻き起こすんだ。何と風速30メートルでろくろを回すんだ!

真中:文字通り旋風を巻き起こしてどうするんですか。工房がしっちゃかめっちゃかになってるのが目に浮かぶようです。

向井:これで割る手間が省ける……!!

真中:割るかどうかは本人に委ねましょうよ。てか超高速でろくろ回してるだけで作品作ってないじゃないですかソイツ。

向井:そして旋風を巻き起こしスピードがゆっくりになった所で、ろくろに立ってブレイクダンスだ。

真中:ただひたすらに迷惑な存在ですね。凄いかもしれないけれどただただ迷惑。

向井:そしてひとしきり踊った所で漸く粘土をろくろに乗せるネンドゥー。

真中:ひたすらに陶芸を冒涜してるだけの前座は一体何だったんですか。

向井:そして半日かけてただひたすらに湯呑み茶碗を仕上げるネンドゥー。

真中:君が言ってた地味さが解消されてないですね。そんで半日はかかり過ぎ。

向井:その間は集中してるから無言だ。話し掛けると紙粘土で固められるからな!!

真中:そこを一番盛り上げて欲しいと思うんですけど。茶番と本番のパワーバランス考えましょうよ。半日以上も付き合いたくないですよ。

向井:そして仕上がったらいよいよ最後の工程に入る。ファイヤーダンスのトーチで窯焼きだ。

真中:本番で職人芸魅せたと思ったらまたふざけだしましたね。そんなショボい火力で陶器なんて出来るモンですか。

向井:踊り続けて完成。そして工房に置いて再び風速30メートルでろくろを回すネンドゥー。

真中:こんなバカげた陶芸界のアイドルが居てたまりますか。激しく無限ループの悪寒がするんですけれども。

向井:そりゃろくろは同じ所を延々と回り続けるからな。俺もネンドゥーもそういう生き様なんだ。

真中:やかましい事この上なし。もう結構。

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