ひとりそたぶ801 月見(3回目)
801回目は「月見」です。3回目です。
ではご覧下さい。
孤独なスメル
漫才/かぐや姫の物語
有重豊五郎:月が綺麗な夜にこんばんわ。孤独なスメルの有重豊五郎と申します。
今日は久々に女性と漫才です。誰とするのか楽しみですね。では登場して頂きましょう!どうぞ!!
顔にクレーターが沢山残っている様な年老いたかぐや姫:皆の衆、ご機嫌麗しゅう。
有重:(絶句)
あばばばばババアじゃねえか!!あばただらけのババアじゃねえか!!姫って年でも顔でもねえだろ!!
かぐ:若かりし頃は声を掛ける男も数多だったが、今では皆無。
有重:だろうな。高望みした結果がコレとか30代後半の婚活女子の良い見本。
かぐ:燕の子安貝、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、龍の頸の五色の玉、仏の御石の鉢、エルムドアの正宗。
有重:存在しない物を要求するからこうなるんだ……って最後。小数点以下の確率で盗めるって黒本のデマのヤツ混ぜるなよ。
かぐ:まあ若気の至りでこんな事してたから独身のまま歳月だけが流れてしまったのよ。
帝とも三日持たなかったわ。
有重:やかましい。
かぐ:所で月って美しいわよね。若かった頃のわらわにそっくり。
有重:近くで見るとグロテスクな所も含めて同じ。
かぐ:だけど月には帰りたくないのよ。
有重:醜態をさらす前に帰って欲しかった。
かぐ:あんなデコボコの岩石の塊に戻りたいと思うか?
有重:気持ちは分かるけど自分の地元を悪く言うなよ。
かぐ:生まれたのは月だけど、育ったのは地球だから。ハーフが英語を話せないのと同じよ。
有重:ウエンツ瑛士を引き合いに出されてもイマイチピンと来ねえよ。
かぐ:それに月の使者が迎えに来るって話になってるけど、あんなの成層圏で燃え尽きるわよ。
有重:ロマンティックな話なのに科学を交えると冷めるな。
かぐ:往復で燃やされるのよ。
有重:月に戻る前に星になるとか。
かぐ:だからこのまま地球であの世からのお迎えを待ってるのよ。
有重:上手い事言ったつもりだけどシャレにならねえから止めてくれよ。
かぐ:まあ何十年も前に月のものは来なくなったんだけれども。
有重:黙れババア!!終わり。
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