ひとりそたぶ２７１　棒読み

２７１回目は「棒読み」です。文章だと意外に難しい気がする。

ではご覧下さい。

コメット×アステロイド
コント/Shooting the confession scene

エル：あなたを愛してるわ。

下条：こりゃ酷い。

エル：どうしてですか？

下条：そんな棒読みで愛の告白のするヤツがあるかよ！ちゃんと演技しろよ！

　　　もう一回だ！

エル：あなたを愛してるわ。

下条：なんてこった。

エル：今のは良いでしょ監督。

下条：全然駄目だわ！さっきと一ミリも変わらんわ！

　　　お前学生の頃、好きな男子に告白とかしただろ！？その時の気持ちを思い起こしてみろよ！

エル：私、常に告白される側だったので思い起こしとか出来ません。

下条：癪に障るわコイツ！

　　　お前はこの作品の主演女優なんだぞ！？お前の役は相手の男に告白して付き合う！その重大な役回りなんだ！

　　　相手にそんな棒読みで告白されたらどう思う！？

エル：告白とかただの通過儀礼では？

下条：一大イベントだぞ！通過ってか入口なんだぞ！止まれないの！

　　　良いか、ちゃんと意識しろよ。

エル：あなたを愛してるわ。

下条：クソかコイツ。

エル：一生懸命やったのにどうしてですか。

下条：それが一切通じてないんだよ！俺にも相手にも！

エル：嫌いな相手にもその気持ちを押し殺してまで告白したじゃないですか。

下条：そういう演技は求めてない！相手の事が誰よりも好きだって思わなきゃダメなの！

エル：そういうのは早く言って下さいよ。ちゃんと台本を朝から晩までじっくり読んだのに。

下条：言わなくても分かれ！！そこまで読んだなら自ずと理解してくれ！！

エル：てか、この撮影ってＡＶですよね？何でそこまで必死になってるんですか？

下条：ＡＶでも！！演技力は！！必要なの！！

　　　こんなんじゃ購入者は興奮しないだろうが！！

エル：別にエッチシーン以外誰も見ないと思うんですけど。

下条：お前その肝心のエッチの時も棒読みで喘いでたじゃねえか！！もう帰れ！！

　

　

　

エル：これでＡＶに出ずに済んだ！！ラッキー！！撮影に１ミリもやる気ない女の演技も案外疲れるわー！