ひとりそたぶ３４９　田舎の家

３４９回目は「田舎の家」です。行きたいけど住みたくはないですね。

ではご覧下さい。

オーバーキャストポラリス
漫才/田舎にはいなかった

最上：連休を利用して田舎のおばあちゃんの家へ行ったんだ。

北尾：へえ。でも都会に住み慣れてると田舎って退屈じゃない？

最上：そうでも無かったぞ。毎日ブラブラしても飽きなかったな。

北尾：ふーん。やっぱり田舎の家って言ったら結構古い建物で広い庭とかあるだろ。

最上：いや無かったな。タワーマンションの最上階に住んでるんだけど。

北尾：思ってた田舎と違う。田舎にタワマンとかミスマッチが過ぎる。

最上：去年再開発の際に立ち退き料たんまり貰って建てたんだって。

北尾：もっと抵抗しろ。そんで田舎のババアらしいチョイスしておけ。

最上：それまでのおばあちゃんの家は木造の築８０年位の広くて庭もある家だったんだけどな。

北尾：古き良き田舎のままあって欲しかったな。

最上：周りは既に団地やら住宅街やらポンポン建ってた。

北尾：戦後のニュータウン開発かよ。寧ろお前のばあちゃん時代に追い付いて無さ過ぎだろ。

最上：で先祖代々の畑は今ららぽーととして再出発を果たしたワケだ。

北尾：俺の住んでる所よりも栄えてんじゃねえか。

最上：毎日ブラブラしても飽きなかったな。

北尾：そりゃららぽーとだからな。映画館やらレストランやら毎日行っても飽きないわな。

最上：で、おばあちゃんは不労収入でウハウハ。「農業なんてバカバカしくてやってらんねえ」って言ってた。

北尾：だろうな。

最上：で屋上緑化の一環で家庭菜園をやってる。

北尾：農家の道を捨てた分際で。都会のビルでしか許されんぞ。

最上：「ＪＡと関わらなくて済む」って喜んでた。

北尾：農業ヤクザじゃねえか。確かに家庭菜園ならノータッチだな。

最上：で、夏休みに我が家に招待しようとしたら「そんなクソ田舎行きとうない」って言ってた。

北尾：田舎の方が栄えてるパラドックスじゃねえか。いい加減にしろ。