ひとりそたぶ774 イギリス(2回目)
774回目は「イギリス」です。2回目です。
ではご覧下さい。
嵐ヶ丘
お漫才/一流のメイドを目指しております
香乃子:こちらが立華お嬢様、私がメイドの香乃子。二人合わせて嵐ヶ丘と申します。何卒御贔屓の程宜しくお願い申し上げます。
夏休み真っ只中なので、休暇を頂いてロンドンにメイドの修行に行こうかなと思いまして。
立華:ロンドンで修行ですの!?
香乃子:ええ。一流のメイドを目指す人間たるもの一度は本場で学ぶのは当然かと。
立華:その間わたくしは一人でどうしたら宜しいの!?
香乃子:そうですね……。キャリーケースに入れば良いんですけれども。
立華:手荷物扱いですの!?貴女の雇い主ですわよ!?
香乃子:流石に12時間荷物の中に隠すのは無理があるかなと。
立華:どこぞの自動車会社のおフランス人の社長さんじゃありませんわ!
香乃子:ですので夏休みが終わるまでのお食事は作っておきます。
立華:作っても日持ちは難しいと思いますわ。
香乃子:乾パン、鯖缶、コンビーフ。
立華:全部缶詰ですわ!!防災の日にはフライングが過ぎますわよ!せめて調理済みの食べ物を用意しなさいな!
香乃子:てなワケで私はロンドンに修行に行きます。ビッグベン、バッキンガム宮殿、タワー・ブリッジ。何処から見学しましょうか。
立華:観光気分ですの!?行くならば名所に目を奪われずにメイドとしての役割を果たしなさいな!
香乃子:何を言いますかお嬢様。実際にその土地の空気や風を受けるのは非常に重大なんですよ。ハリーポッターとホームズの所縁の地も外せませんね。
立華:聖地巡礼する気満々じゃありませんこと!?何処が修行ですの!?
香乃子:しかしイギリス料理は美味しくないと評判ですね。どうしましょう。
立華:だったら缶詰をお持ちになりなさいな!そもそもメイド修行って名目なら自分で調理なさい!
香乃子:折角お仕事から解放されるんですからプライベート位ゆっくりしたいんですよ。
立華:プライベートって言い切りましたわね!?完全に遊びに行く気満々ですわね!?
香乃子:ですが夏休み明け、パワーアップした私をお楽しみに待ってて下さい。
立華:ただ夏休み中ずっとロンドンに行ってリフレッシュするだけではありませんか!
まあわたくしもずっと香乃子に頼りきりでしたしたまには良いですわ。所で英語は出来るんですの?
香乃子:英語……!?
忘れてました。私アルファベットが三つ以上並ぶと震えが止まらない体質でした。
立華:それではイギリスどころか日常生活にも支障をきたしますわ!!家で大人しくわたくしに尽くしなさいっ!!
香乃子:これにて嵐ヶ丘のお漫才、お別れのお時間と相成りました。またお会い出来る日まで御機嫌よう。