ひとりそたぶ380 別れ
380回目は「別れ」です。まだまだ続けるけどね。
二日続けて二次創作です。そろそろ違うジャンルも書きたい今日この頃。
ではご覧下さい。
孤独なスメル
コント/地元から離れて暮らす或る男のボヤき
「マサラタウン出身です」
俺が初対面の相手に自己紹介の時に必ず言うセリフだ。すると必ず
「へえ、マサラタウンにサヨナラバイバイしたんだ~」と言われる。
確かに俺は地元マサラタウンを離れ、今はこうして遠い地方で働いている。
だからと言ってこの台詞を言われる度に俺は腹が立って仕方がない。例え相手に悪気が無かったとしてもだ。
いや、ウケ狙いで言ってるだろうから余計に苛立つ。つまんねえよ。氷の抜け道並みに毎回滑ってるからな。
てか何だよ「サヨナラバイバイって。同じ言葉が二度重なってやがるじゃねえか。毎回言われる度に思うけどどっちかにしろよ。
シャ乱Qの「バイバイありがとうさようなら」の方がまだ許せる。あっちの方が先だし、つんく♂はもう声出せないし。
そう言えば11番道路にこんな負け台詞を吐いた短パン小僧がいたな。当時流行ってたからかな。彼も愛しい恋人は見つかったのだろうか。
そもそも長年親しまれているあの歌を歌ったスーパーマサラ原人ことサートシ君がいけないのだ。
実際アイツがポケモンマスターを目指してマサラタウンを離れた時、一度たりともそんな事をほざいた記憶は無い。
知らない間に彼が歌った歌が出されて瞬く間にヒットしていた。ついでに黒い全身タイツの男も流行ったな。
その後も「マサラ言うたらピカチュウと一緒に旅に出たんやろ?なあそうやろ?」とコンボをかました奴も居たな。
俺が選んだのはゼニガメだ。普通マサラタウンにピカチュウは生息していないだろ。
そんな事言う奴はトキワの森でピカチュウ探せ。そして一ヶ月位彷徨え。ついでにビードルの毒にやられろ。
イラついたので敢えて俺はピカチュウを捕まえなかった。捕まえたら何だか負けな気がしたから。
これ程までに地元を恨みたくなるのはサートシ君の所為でもあるし、周囲の所為でもある。
念のために言うがピカチュウに罪はない。可愛さは有罪だがここでは無罪だ。
たまに「マサラタウンの人間って10万ボルト耐えられるんやろ?」「70キロ越えてるヨーギラス軽々持てるんやろ?」とか聞かれる。
出来るワケねえだろ。アイツだけだわ。そんな事言うならお前にやらせてやろうか?
何ていうかサートシ君一人の所為で風評被害が酷過ぎる。危険を知らせに来るのに災いを巻き起こすアブソル並みだ。
地元から遠く離れた地方の街でもこんな事を繰り返しているのだ。帰るのが憂鬱だ。
てかマサラタウンと言えばポケモン界のオーソリティことオーキド博士だろうが。
最初151匹って言ったけど年数が経つにつれて、どんどん数が増えて対処に追われてるけど、一番に連想しろよ。
声変わりした祖父の将来の心配とライバル・サートシ君への恨みを思いつつ、俺シゲルは今日も遠い地方でポケモンの研究を続けている。