ひとりそたぶ395 転勤

395回目は「転勤」です。今日ストレスで仕事を辞めた椎名が目指すのは寛解からの転職です。

ではご覧下さい。

レイニースターライト
コント/あした転勤になあれ

課長:はー、人生の終わりや……。

部下:どうしました課長?

課長:夏から転勤になってもうた……。

部下:また随分と季節外れな時期ですね。何処に行かれるんですか?

課長:東京やけども。

部下:それ実質的に栄転じゃないですか!東京なら良かったじゃないですか!

   部長は島根、係長は利尻島、主任は与論島支店だから遥かにマシですよ!

課長:そやけども。俺ぶっちゃけ言うけどな、東京むっちゃ苦手やねん。

部下:苦手でも東京で研鑽したらこっち戻ったらエリートコースですよ!

課長:だってアイツら、俺が関西出身や言うたら絶対「ボケて下さい」とか「タイガースの調子如何ですか」とか言うやんか。

部下:そんな陽キャの最下層みたいなのばっか居ませんよ!寧ろ東京は色々な所から来てるから今更気にならんですよ。

課長:うどんだってめっちゃ濃い泥みたいな色してるやろ?

部下:讃岐うどんブーム以降そういうのはあんまし見ないですよ。僕も滅多に食べませんし。

課長:でもなあ家買うたばっかりやし。単身赴任とか嫌や!

部下:良いじゃないですか。独身気分に戻って羽伸ばせますよ。

課長:だけど俺、子供生まれたばっかりで戻ったら知らん扱いされたら嫌やんか。

部下:大丈夫ですよ!ちゃんと奥さんが課長の事教えてくれますよ!

課長:嫁かて俺がおらん合間に昼下がりに知らん男に抱かれて、そいつをパパと認識しだしたらどうしてくれんねん!

部下:そこまで責任持てないですよ!

   てかさっきからごちゃごちゃ言ってますけど、ここ横浜ですよ!?

   横浜から東京まで普通にみんな通ってますよ!話に付き合いましたけど横浜からなら単身赴任する必要無いですから!

   てか関西弁喋ってるの社内で課長だけですよ!?

課長:だって横浜めっちゃ好きやねん。大阪同様、鶴見区があって親近感湧くやんか。

部下:何処にシンパシー感じてるんですか!?

   因みに課長住んでるの旭区じゃないですか。ほぼ大和市じゃないですか。鶴見遠いですよ。鶴見過ぎたら東京直ぐですよ。

課長:お前東京近いって23区と勘違いしてるやろ。黙って聞いてりゃ他人事や思て近いだの単身赴任要らんだの好き勝手言いよってからに。

部下:えっ、違うんですか!?普通にチョー他人事でしたけど。

課長:東京は東京でも俺が行くん小笠原の母島支店やぞ。

部下:都内だけど都内と感じられない!!

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