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高1の夏、わたしは「悔しい」を捨てた。
「ああ、終わった。」
チームが負ける。笑っているのは誰?
それなりに強かった中学校の部活。
どんなに得点を取られても、不思議と負ける気はしなくて。
絶対に「逆転する」という強い確信を持って挑んでいた。
高校に入学。
本当は新しいことに挑戦してみようかと思っていた。
でも、気づいたら泥まみれでボールを追っていた。
部活は楽しかった。
心の底から行きたくないって思うことは一度もなかった。
一方で、身体の変化を受け止められない自分がいた。
小中学生の頃とは何かが違う。
軽やかにベースを踏むことも、
ボールを追うことも打つことも上手くいかない。
私が思い描いていた姿が何一つ現実にならない。
頑張りたいと思っても、努力ができない。
自分より経験年数が少ないチームメイトに抜かされそうで、
だったらもう恥ずかしいから、頑張らなきゃいいと思った。
徐々に侵食してくる嫌な何かが、私の青春を濁してきた。
そして、高1の夏、チームは県大会に行けなかった。
「ゲームセット」の野太い声でお辞儀をする。
先輩やチームメイトが泣いている中、私はなぜかヘラヘラ笑っていた。
「悔しい」を認めたくなかった。
だっだら、笑って「まあそういうときもあるよね」って封じ込めたい。
”なぜ負けたのか”に向き合うと、自分の堕落さに向き合わないといけないから。
ーだから、「悔しい」を捨てた。
「しょうがないよ」「運が悪かった」「また次あるよ」
その場しのぎの言葉を頭で一杯にする。
自分が傷つかないように、「悔しい」なんかに向き合わない。
そう決めたら、楽になった。
その後もチームに勝ち星がつくことは少なかった。
でも私は悔しくない。
「まあそんなもんだよね」ってある程度自分の中で
予想を立てて、変に期待することもやめた。
特にたいした努力もしないまま、気づいたら高3の夏。
最後は強豪校に当たり、曇天の空の下でコールド負け。
今でも思い出す。あの、嫌な湿度の高い空気と身体の重さを。
バットの芯を外して右手に響いた振動と、
サードで高いバウンドキャッチしたと思いきや暴投する指の感覚。
「これじゃない」「こんなはずじゃない」
「これで終わり?」「ありえない」「気持ち悪い」「嘘だ」
最悪な青春の後味とはこのこと。
やりきれなさの根本に果たして何があったのか。
そんなことは、17の自分では向き合いきれなかった。
向き合いたくない声は、7年越しに。
そうやって、「悔しい」を手放したまま7年間過ごしてきた。
大学受験も、留学も、ボランティアも、就活も。
期待しない。しょうがない。自分には無理。あの子はすごい。
留学を通して少しは前向きになった部分もあったけど、
自分を卑下する癖・壁から逃げ出す癖は完璧に直せなかった。
社会人も2年目に突入。
頑張ってはいるけど、これじゃない感覚。
かといって、「これだ!」という確信の場所があるわけでもない。
そんな時に、私は企画メシにエントリーした。
そこにあったいくつもの問いの中で、頭を悩ませたのがこの質問。
「あの日、選ばれなかった」けど、その経験が今に繋がっていると思うことはありますか。
ドトールで頼んだダブルのアイスがいい感じに混ざりはじめる中で、
私はこう答えた。
この問いを見た瞬間、トクンという音が心の奥でしました。
理由は単純で、「選ばれなかった」経験を「選ばないようにしていたんだ」と感じたからです。もっと言うと、「選ばれなかった」経験で傷つかないように、選ばれなくても「努力をしきれなかった自分が悪い」と諦めをつけていたから。そのため、捻り出して出てくる経験もありましたが、自分の弱さから深く残っている「選ばれなかった」は無かったです。本当は選ばれなかった経験を活かして今の自分に繋がることを書きたかったですが…。結論「選ばれないを、選ばれないようにしていた」経験で、今の大きな変化や挑戦に一歩踏み出せない自分に繋がっていると感じました。
続けて、最後の質問。
この半年間をどんなことを意識して取り組みたいですか?
「悔しい」を何度も感じるほどに、1つ1つの課題や講義に対し、熱く取り組んでいきたい。期待すればするほど失敗したときの絶望が怖くなる自分にお別れし、高校生のときに蓋をした「負けず嫌い」と向き合いながら、「誰かを彩る」企画を生み出していきます。
ああ、これが答えだと。
17のときに向き合えなかった、根本がここにある。
私の弱さを受け入れてもいい。ただ、諦めない。
「悔しい」気持ちを両手で抱えて、傷ついてもいいから、
「もうこれ以上は無理」まで追い込んでいく。
それが17の自分の曇天を晴らしてあげる方法なのだと。
じゃあ、今は正直どうなの?
では、企画メシが2か月経とうとしている、今。
私はどうかというと。
絶賛、逃走中である。
だから、このnoteを書いている。
第2回の音楽の企画に対して、全く集中して取り組めなかった。
プライベートの出来事に引っ張られて、気持ちが追いつかなかった。
結果的に、当日の講義も「ああ、なんてダメなんだ」と卑下するばかりで、
感動メモを書けない状態に。
7年前にタイムスリップしたまま、チームの企画もスタート。
周りのメンバーに甘えて、
全然いまのところ宣言した地点に到達できそうにない。
今の気持ちは…
「一緒じゃん。何にも変われてないじゃん。」
「あ~もう!悔しいな、なにしてんの自分?」
また、周りの人の企画にやられて諦めちゃうの?
もう、それなりに学ぶこともあったから適当でいいの?
なんで、ここまできて同じことを繰り返しちゃうの?
どうして、行動に移せないの?
と、ツッコミのメリーゴーランド状態。
でも、少しだけ成長している気もする。
まだ、間に合う。
企画メシは部活と違って半年しかない。
私は自分の物語を彩る。
こうやって、たまに自分の感情を吐き出しながら。
ここまで読んでくれた方へ。
まとまりきらない内容。
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
高校の部活動。
今回は、すごく暗いイメージで書きましたが、
本当に楽しかった思い出です。
何をしても笑い転げて、
たまに言い争って、
帰り道にアイスクリームを頬張って。
何気ない瞬間に、帰りたくなるときもあります。
そして、たまに集まるメンバーの物語を聞くと、
「ああ大人になったなあ」と感じる反面、
「変わんないなあ」とにやけることも。
勝ち星は少なかったけど、毎日たくさん練習したことはたしかで。
そんな日々に、先生に、メンバーに感謝をしています。
そういえば、最近、グループラインで幸せな報告がありました。
あれだけ時間を共に過ごした仲間だと、不思議な温かい感情になりました。
ずっとずっと、青空の下で幸せな風が吹きますように。
そう願いながら、また自分の物語を綴っていきます。