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「どこへ いってた?」

 先日、配本サービスで娘宛てに届いた「どこへ いってた?」は、アメリカの作家 マーガレット・ワイズ・ブラウン作の絵本。

 さまざまな動物に「どこへ いってた?」と語りかける詩集のような絵本で、特にストーリーはない。ちょっと長めの物語でも楽しめるようになった3歳児には、つまらないかな? と最初は思った。

 でも、読んでみると、リズミカルで優しい文章が心地よく、娘もじっと集中して聞いている。バーバラ・クーニーの描く、黒と少しの赤で描かれた版画の動物たちも美しい。

 それぞれの世界で幸せな日々を過ごしている動物たちの様子が、シンプルな言葉で描写されていて、読むたびに温かい気持ちになった。「もう一度 読む?」と、私が読みたくて聞いてしまう。

 私が特に好きなのは、くじらのページ。

くじら くじら
どこを およぐ?
あらしの うみの おおなみを
のりこえ のりこえ
およぐんだ

「どこへ いってた?」

 絵本に出てくる動物たちを、つい子どもに重ねて読んでじゃう。

 最後のページの作者紹介によると、作者 マーガレット・ワイズ・ブラウンは、「幼い子どものための本は、すべての感覚にアピールするものでなければならない」と言っている。シンプルで美しい言葉、生き生きとした動物たちのリトグラフ。目にも耳にも楽しく美しいこの絵本は、まさに彼女のモットーに基づいて作られた絵本だと思う。

 配本サービスのおかげで、私だったら絶対買えなかった絵本と出会えてうれしい。

 夜、寝る前、娘が選んだ絵本を全部読んだあと、「なんか読んで」と、せがまれる。眠ってしまうまで読み続けてほしがるとき、この絵本を選ぶ。

 1日の最後に読むのがこの絵本だと、とても優しい気持ちで眠りにつけるのだ。

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