【詩】さえ、あえかな
どんなに深く潜っても わたしは
手探りでもしてる間に だれかは
わたしの 何も降ってくることはない 乾いた頭上だが
誰かの上には さぞ さぞ美しい音粒が降っていて、
抱擁する 音粒が されることは ただ楽しみゆく ゆぅかい … …
もう知ってるよ と
あばらの、涼しい隙間から
空を漕いで 薄い空気の中で
水滴を見つけて まぶたに置いたのだ
“チチ、ヂ”
あの音は 焚き火か コンロだね
手を引いた白黄緑の森
踊りにまかれる 踊らないひと
ただふらす人は 大雨も控えさし
駆けた、
きみは誰かなあ
空気を知ってるのに
きみを知らないまま
もういない 誰かなのかな
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