【詩】蛋pac(a)質
犬だか鳥だかわからない声が
窓の外で五つ数えている
まだ明るくなる前の
蒼いを水を浸けたら成形された
薄く伸ばされた板を
しゆしゆ刻むこえ
板は 家ゝやいくつかの眠る車の下に潜んで
夜から朝にかけて
底冷えの関係を結んでいるから
触れれば女の頬を纏うような粉がさわれる
朝の牛乳の冷たさに
期待外れで委ねられなかった安心が
またいつかというaの居留守を
期待をしている
鈍くなった唇が
ぬくもりを取り戻してゆくことは
冷夏のなかの 遊戯のひとつで
諸外国では
捕鯨船の基軸が後ろ側方へ
揺らぎを振り落としてゆく
英、 季節 fulcrum,
こっくりとした茶色い革の鞄と
すれ違ってみたい
あたたかそうに見える旅に出たい
しろくまを隠す鞄には
会えないとして
旅先というのは、
しなるしなやかな脚のついた箱庭で
人々がその淵で落ちそうになっている
黄色い小花を
見て見ぬ振りでいるうちに
背中で歩いて
移動してゆくものだから、
会えないとして
ただ所在ない
エイ 情けない紙だ
皮膚の上に垂れる風か
端っこが冷たいままでいる毛布にくるまる君を今すぐに起こして、からすの声がしたようと言ってしまおうか
掻きむしって、網戸が喉に絡んだし
ほらカーテンがだらるんと陽の唾液を漏らし始めた
ばかだなあ ばかだなあ
見ていられない鈍重さで
丸い陽が水平移動していくの
その近くにずっといる際
こんな風に
櫂は手のひらに馴染んでいくけれど
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