【詩】溶く
船は揺れている 緩やかな波の下で
波は隠している 砂粒の黒い反射
深青の世界がある
暖色は丸く描かれる
小さな果物が その重みを
空気のなかに滲ませるような、
とかれた円
食後の幸福の麻酔で
暗く、失われた感傷を踏む
こんな風に
忘却は春の船に 少し、酔わせる
皐月だ、十月が経った
流れてゆかない深い青
青の重さは黒色
波のない海は
喉を強く握り潰す炎を
覆い被し 沈める
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船は揺れている 緩やかな波の下で
波は隠している 砂粒の黒い反射
深青の世界がある
暖色は丸く描かれる
小さな果物が その重みを
空気のなかに滲ませるような、
とかれた円
食後の幸福の麻酔で
暗く、失われた感傷を踏む
こんな風に
忘却は春の船に 少し、酔わせる
皐月だ、十月が経った
流れてゆかない深い青
青の重さは黒色
波のない海は
喉を強く握り潰す炎を
覆い被し 沈める
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