【詩】滔ゞ
跳ねる魚たち、波に押し流されて浜辺を打つ。弁膜は阻んでいる。彼らは外に出られない。ぴちぴちと打ち付ける、心臓の内側がこそばゆい。
掻き毟り、放校される。
昨年の、川底からの帰り道、浜辺の青い女に腕が付いていた。波が穏やかだった。
凪の群れ。
停泊を控えた船たちはうつくしい。感情の漲りだ。門戸らは受け入れる。
薄明に銀の液を垂らす鰯たちは、古代魚の存在意義に気づいてふいに、ひれを見る。
その横顔も、あまりに寂しい。
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跳ねる魚たち、波に押し流されて浜辺を打つ。弁膜は阻んでいる。彼らは外に出られない。ぴちぴちと打ち付ける、心臓の内側がこそばゆい。
掻き毟り、放校される。
昨年の、川底からの帰り道、浜辺の青い女に腕が付いていた。波が穏やかだった。
凪の群れ。
停泊を控えた船たちはうつくしい。感情の漲りだ。門戸らは受け入れる。
薄明に銀の液を垂らす鰯たちは、古代魚の存在意義に気づいてふいに、ひれを見る。
その横顔も、あまりに寂しい。
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