見出し画像

エビデンスは自分たちのために

 学校の状況は日々変化します。教育委員会からはいろいろな調査があって、ヒアリングと呼ばれる聴き取りやアンケート集計の結果の提出を求められたりします。毎日変化しているけれども、それが良い方向に向かっているのか、そうでないのかを数値で分析せよと求められるわけです。いわゆる「エビデンス」を明らかにしなくてはならないのです。
 
 とくに学力向上担当や生徒指導の担当になるとエビデンスを求められることが多く、私もその面倒くささに辟易としたものです。学校が全体的に良い方向に向かっているのかそうでないのかは、私たちにとっては「肌で感じる」ものがあるわけで、いちいちエビデンスを明らかにするまでもないと私もずっと思っていました。
 
 でも、たとえば本校でずっと課題となっていた「地域からの苦情の多さ」について、何となく減ってきたような感じはするけれど、昨年度の同じ月と比べて実際に苦情件数が何件から何件になったかを明らかにすることによって、次は何が功を奏しているのか、何が不足しているのか、その要因を調べることができます。そしてこのあとの私たちの取り組みにフィードバックできるだけでなく、生徒にもエビデンスを示すことで指導に活かしたり生徒をほめたりすることができます。
 
 つまり、エビデンスを明らかにするという面倒くさい作業は、教育委員会のためのものではなく、私たちの取り組みにかえってくるものなのです。何となく肌で感じることをきちんと分析して数値化すること、それをちゃんと生徒に返していくこと、これが学校での指導につながるのだと思います。
 
 期末テストが近づいてきました。このテストでは私たちはどんな分析をし、その後の指導にどう活かしていくのか。そんなことを考えることが大切だと思います。秋の学校公開という行事もそれまでにどんなエビデンスを明らかにするのかを考え、あくまでも自分たちのため、本校の生徒のためになるような行事にしたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?