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一歳児が紡ぎ出す言い間違いが愛おしい

よくある話でよく聞く話だけど、当事者になって初めてその愛おしさを理解することになった。

言い間違いは成長の過程で必ず起こるもので、たしかその仕組みもちゃんと研究されていた気がする。だからわざわざその事象に対して、
なんでそんな器用な間違え方するの!(キャワ…)
その言い間違い、面白すぎるんですけど!(キャワ…)
という感動は実はそんなにない。親としてはもうちょっと感動した方がいいのかもしれないけれど。

ただそれを差し置いても、言い間違いは愛おしい。それなぜか。

私は親になり、知ってしまったのだ。

「言い間違いは、じきに消えてしまう。何の前触れもなく」

という事実を。

我が家はつい最近も「にゅうにゅう」がしれっと「ぎゅうにゅう」に昇格した。

もうあの「にゅうにゅう」が聞けないのか思うと、少し胸がつんとする。
今はこんなにもたどたどしいお喋りが、いつかは小生意気な屁理屈になるのだろうか。

そうやって「おすくり」も「えんぴんきつ」も「はたくるま」もきっと消えていく。「ととけいさん」も、「ぴよこさん」も。

だから私は、その背丈のあなたの、その口から紡ぎ出される言い間違いの愛おしさを、私の中に閉じ込めておきたいのだ。

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