加計呂麻ロマンス
ふわふわする
ゆらゆらする
波や星のまたたきが耳元で弾ける
奄美大島の南東に位置する小さな島、加計呂麻(かけろま)島。
リフレッシュに最適なこの島には、人工のものが極端に少ない。
あるのは、少しの家や商店に、海や山、そして人のあたたかさ。
そんな加計呂麻島の民宿「海宿5マイル」で行われたマルシェイベントに1人で行ってきた。
そして、帰ってくる時にはその日出会ったばかりの5人で帰ってきた。
人とゆるやかにつながり、のびのびと語らい、
どこかで再会することをなんとなく予感しながらさっぱりと別れる。
そしてまたつながっていく。
そんな気持ちのいい関係が、加計呂麻島では自然にできていく。
マルシェイベントでは薬膳スパイスカレーやチャイ、ヴィーガンタルトなど
「なんか素敵」なフードの出店や、夜光貝アクセサリーのWS、
夜には雰囲気のいいライブなんかがあって、どれも最高に心を満たしてくれたけれど、
参加した人がおそらく一番楽しんだのは、のんびり10歩で着く海の波の音、
風に揺れるアダンの葉っぱ、優しい陽の光、新月前夜の満点の星空だろう。
みんながそれぞれ得意なものを持ち寄ってできた居心地のいい空間と、
その空間をさらに彩ってくれる鮮やかな自然たち。
人工物に囲われて閉じ込められていた魂が、
あの場でふっと解放されるような感覚さえした。
透明な波や、星の海をずっと見ていると、
自分が立っているのか座っているのか、
起きているのか眠っているのか、
ふわふわとして分からなくなる瞬間がある。
ほんとうに気持ちがいい。
ただそう思える場所がここにある。